過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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22:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 22:02:51.96 ID:DVgSD76f0
 私は今度のアイドルライブイベントの前座を務めることになった。
 とはいえ、たくさんの新人アイドルのひとり、悪く言えば、にぎやかし、引き立て役だ。
 お客さんのお目当ては、最近ぐっと知名度を上げているトライアドプリムスの三人だ。
 誰も私なんて見ていないからこそ、気負わずに自分を出すチャンスだとプロデューサーは言う。
 全く実感が湧かなくて、私は他人事みたいに話を聞いていた。
 今日はライブイベントの打ち合わせの日だ。
 事務所の一室で待っていると、なにやらドアの向こうが騒がしい。
「信じられません。あれだけ感動的なお別れをしておいて……当たり前みたいに呼び出すなんて!」
「同じ事務所なんだ、顔を合わせるのは普通だろう?」
「偶然すれ違うのと待ち合わせをして出会うのは全然違います! デリカシーって言葉、知ってます?」
 派手にやり合ってるみたいだ……というか、この声……どこかで。
 ドアが勢いよく開いて、騒がしさの塊がふたつ、勢力を弱めずに飛び込んできた。
 プロデューサーと、私よりも背が小さな、可愛らしい女の子。
「一旦休戦といこう。埋め合わせは後でする」
「高くつきますよ。ボクはお高い女なんですから」
 二人を見てぴんときた。
 この子が、プロデューサーの、前の……。
「初めまして。ボクは輿水幸子です」
 堂々と胸を張るその姿。その声。
 実際、この目で見てみると。
 やっぱり、凄い。
「森久保乃々です。あの時は……ありがとうございました」
「さて、何のことでしょう。ボクにはさっぱり、分かりませんね」
 何のことだと首をひねるプロデューサーを一瞥し、彼女は私に悪戯っぽくウインクしてみせた。


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