過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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以下、新鯖からお送りいたします
[saga]
2013/09/04(水) 21:30:15.02 ID:DVgSD76f0
息が止まる。
全身が押さえつけられたみたいに重くなって、目の前の景色がぐわんと歪む。
視界がぐっと狭まり、喉からおかしな息がひゅっと漏れた。
やばい。
「幸子!」
叫んだプロデューサーが、車を路肩に停止させたのが分かる。
身を折り、呼吸をするたびに、ひゅーひゅーと音が鳴り続ける。彼がプロデューサーになってから、一度だって起こしたことがなかった発作だ。ぜんそくの再発こそが亀裂の象徴であるようで、苦しみが増した。
袋を取り出した彼が、ボクの口を覆ってくれる。気づかってくれる嬉しさが半分で、そうさせてしまった情けなさが半分だ。知らず知らずのうちに、彼の存在は欠かせないボクの一要素となっていて、彼が隣からいなくなることを思うだけで、ボクのすべてが軋むよう。
「プロデューサー、ボクのプロデューサーじゃなくなるって……」
「来月から、俺は新人の担当になる。連絡が遅れてすまなかった」
「……嫌です。認めません」
「上が決めたことだ。俺にはどうすることもできない」
魔法が解ける。
ボクを支える足場が崩れていく。
為す術もない。
「でしたら、ボクはもうアイドルを続けられません」
「……頼むから、わがままを言うな」
彼の瞳を見ることができない。代わりに、ボクは車窓を叩く雨粒をじっと見つめる。窓に反射してうっすらとだけ映る自分の姿……今、ボクはどんな表情をしているだろう。これはいつものわがままだろうか。
「今のボク、カワイイですか?」
「当たり前だろ。そんなこと、幸子だって知ってるはずだ」
知らない。
ボクはただ、貴方の一番になりたかった。
貴方の言葉がないボクに、なにがカワイイかなんて分からない。
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