過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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8:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:32:59.13 ID:DVgSD76f0
 トレーナーさんにスタジオから連れ出され、誰もいないベンチへと。
「貴方達のことは、だいたい聞いてる」
「ボク、プロデューサーさんに捨てられたんです」
「その言い方は誤解を招く」
 トレーナーさんが困ったような声を出す。
「でも本当です。いきなり、こんな……」
 はぁ、と溜め息がひとつ。
「貴方と離れたくない気持ちは彼も同じよ。幸子だけは勘弁してくれって、社長に直訴しに行った話、有名よ?」
 とくんと心臓が高鳴る。
 思わず顔を上げると、トレーナーさんの優しい笑みがあった。
「声を荒げて、うるさいのなんの。周りの人達に丸聞こえだったらしいわ。最後は、いい加減にしろって一喝されて終了。所詮はサラリーマンよね。お上の決定には逆らえませんってわけ」
 頬が熱を帯びたのが分かる。
 少し前まであれだけ落ち込んでたのに、単純な自分が嫌になる。
「それでも、どうしても離れ離れが嫌だって言うなら、二人揃って移籍でもする?」
 顔を伏せたボクは、首を横に振る。
 いくらわがままが板についたボクでも、そんなことは言えない。
「プロデューサーさんの気持ちは分かりました。でも、やっぱり、ボクにはプロデューサーさんがいないとだめなんです。だから、もう……」
「私は貴方の保護者じゃないし、貴方の人生は貴方が決めること。だけど、もう少しだけ考えてみて。少なくとも、私の目から見て、貴方はもう一人の立派なアイドルよ」
 ボクは答えを返せずに、だけど。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。それじゃ、私は戻るわね。お疲れ様」
 去っていく背中に、ボクは深々とお辞儀をする。
 もういちど、彼と話をしてみよう、と思った。


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