過去ログ - インデックス「ふて寝もいい加減にするんだよ!」フィアンマ「んー」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/09/08(日) 22:10:39.04 ID:I9KMLuFS0
男がまだ、左方のテッラと呼ばれる前。
彼は聖書の端から端までを読み返しては、不安を克服しようと研究を続けた。
神の国。
全知全能の唯一神が世界の終わりに創造するという、幸福の世界。
死者は死後世界が終末を迎えるまで待ち、最後の審判を受ける。
信心深く、良き者は神の国へ。
神を軽蔑した重罪人は地獄へ。
悔い改め、しかし過去に罪を犯した者は煉獄へ。
左方のテッラは、自らが神の国へ至ると確信していた。
それと同時、外よりも内に敵が多いと言われるローマ正教の現状に悩んでいた。
このローマ正教内の問題が、もしも神の国へ持ち込まれてしまったら。
それは幸福な世界とは程遠い世界で、神様は失望してしまうだろう。
敬虔だからこそ、真面目だからこそ抱いた不安だった。
どんなに研究しても、魔術が出来上がるばかりで、答えは見えない。
『神の右席』という場所に身を置いても、答えは見えてこなかった。
『ですから、私は知りたいのですよ。神の期待に応えるにはどうすれば良いのか。
争いは持ち込まれてしまうのか。そうならば、皆をどの様に導き直せば良いのか、ただそれだけを』
懺悔でもする様に。
『神の右席』を率いる、世界二○億の頂点たる彼に答えを求めた。
"まだ"熱意に溢れていた彼は、答えを出してくれた。
『神は人に期待はしない。自分の子供が期待と違っていても、失望はしない。
全知全能の我らが父が、争い一つ解決出来ないと思うのか? たかが俺様にも出来ることを』
救いの右手を差し出し、優しく微笑んだ。
『――――それでもまだ不安なら、俺様が世界を救ってやる』
全人類全てを幸福にしたくて、自分は魔術師になったのだと彼は言った。
異教徒は家畜にも劣る生物にしか見えない自分には、到底見習えない懐の広さだった。
老若男女、人種も国家も所属も問わず、全人類を救うと彼は口にした。
一見して荒唐無稽な夢に見えてもおかしくない。それでも、自分は彼の強さを信じた。
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