過去ログ - 罪木蜜柑「カムクライズルは笑わない」
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12:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/05(木) 18:57:08.53 ID:Y5kYTKfQo

 後に聞いた所によると、彼が私を好きになったのは、彼が体育の授業で怪我をした時、私が治療したことがきっかけだったそうです。

 その時はまだ、予備学科から編入してきたばかりの日向さんはクラスに馴染みきっていなくて。どこか私たちに遠慮しているようでした。彼は

「あの時、罪木が治療してくれてさ……”超高校級”って言っても、俺と同じ高校生なんだな、って思ったんだ。だけど、それと同時に罪木の手際の良さに”超高校級”ってものの凄さも感じてさ……」

 と言っていました。私の才能なんて大したものじゃありませんが、日向さんにそう言ってもらえるのは本当に嬉しかった。

 デートはまだだけれど、日向さんはお昼休みや放課後によく私の話を聞いてくれました。誕生日にはプレゼントまでくれました。ずっと欲しかった医療用ホチキスを手渡されたときは、彼はエスパーなのかとさえ思いました。

 そういったことの積み重ねによって、私の中で彼がどんどん大事な存在になっていくのを感じました。――けれど、同時に不安にもなります。私の想いを本当に彼に向けていいのだろうかと。


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