3: ◆LUrsvHMguE
2013/09/07(土) 22:54:25.40 ID:Jyz35gQ40
あるとき、彼はとある組織へと入った。まだ幼いというのに、初めて人を殺したのは8歳だった。
敵の拠点へあがりこんで、騙して[ピーーー]という役目だった。
楽しいわけではなかった。怖かった。しかし、それ以上に「目標に辿り着ける」と歓喜した。
一人[ピーーー]ことによって誰かが悲しむ。その誰かにとって厄病神とは、殺した人間だ。
だから彼は、殺してきた。名誉も地位も何もいらなかった、ただ誰かの厄病神になりたかった。
だがあるとき、彼は自分の中の矛盾に気付いた。
誰も傷ついてほしくないから、厄病神になろうとしたのに、なるために誰かを傷つけるのでは本末転倒ではないのか。
「だったらこうしよう少年」
「私の部下になれば、無駄な殺しはしなくてすむ」
「私はアレイスター。私がメンバーに斡旋してやる」
そして彼は、命令以外の無駄な殺しはしなくなった。彼は、虐殺魔から殺人鬼へと変わった。
しかし今、気付いた所で、今更戻れる筈はなかった―――
これはそんな不幸な少年の話。
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