16:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/09(月) 01:40:05.91 ID:uVWPL9kB0
杏子「でもなぁ、やっぱり考えちまうよ」
マミ「トマトや大豆がもったいないって?」
杏子「文化、って説明をつければそりゃ、気は楽だろうさ。それ以上無駄な思考を働かせずに済むしな」
マミ「……」
杏子「だっておかしいだろ?何百何千という魂が、お祭りって名目の下で、一度に空中を飛び交うんだぜ?」
マミ「佐倉さんの言ってること、間違ってはいないわね。どんな言い回しをしようと、食べ物を粗末にしていることに変わりはないわ」
杏子「う、ん……いや、それだけじゃないんだよな」
マミ「?」
杏子「一つ一つのトマトには、為す術もないんだ。次の瞬間には、ミキサーでドロドロにすりつぶされたり、街の大きなブロック塀や漆喰の壁のようなものにぶつかって、ぐしゃってなるんだ」
杏子「そして誰一人、それらが自分たちと同じ人間だなんて思いもしない。アタシには、これがとても不気味なことに思えるんだ」
マミ「……おまたせ、熱いから気をつけてね」コトリ
杏子「お、サンキュー」
マミ「……うん、ちょっと塩を入れすぎた気もしたけれど、丁度良かったわね」
杏子「うん、おいしいや」
マミ「……弱者、なんだと思うの」
杏子「え?」
マミ「さっきの佐倉さんの言ってたこと。弱者トマトにはきっと、それがお似合いなのよ」
杏子「いつものマミらしくねーな。やけにサバサバしてやがる」
マミ「だって、あの子は嘘を吐かないんだもの」
杏子「何だって?」
マミ「弱くても、美味しいトマトは美味しいわ」
杏子「そうだな。たまに店先で、土の臭いが未だにこびりついているやつとかを見ると、思わず丸かじりしたくなっちまうよ」
マミ「ふふっ、食欲にはあらがえないのね」
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