過去ログ - まどか「弱者トマト」
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27:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/09(月) 01:47:06.97 ID:uVWPL9kB0

杏子「こんなもんでいいかな」

まどか「そんなにもいで、どうするの?全部マミさんに食べさせてあげるの?」

杏子「食いきれないようだったら、アタシも食うよ」

まどか「じゃあ、その時は私も手伝うよ」

杏子「ありがとな」

まどか「美味しいの?それ」

杏子「……ん、不味いな」

まどか「そっか」

杏子「マミはこの世界で一番、警戒を怠らない魔法少女だった」

杏子「前触れもなく、自分の大事な人が、自分の両親のいるところへ逝ってしまうかもしれない」

杏子「前触れもなく、魔女に致命傷を食らうかもしれない」

杏子「前触れもなく、仲間の魔法少女に手のひらを返されるかもしれない」

杏子「不幸な半生を送ってきた分、ありうる悲劇を漏れなく想定して、可能性を一つ一つ、丁寧に怖がっていた。アタシが初めから知ってるのは、そういう、根っこから歪んだマミなんだ」

まどか「そうでもしないと安心できなかったのかな」

杏子「逆かもしれねーな。迂闊に自分の気をゆるませたくなかったのかもしれない。そこは本人に訊かないと分かんねえよ」

まどか「それで?それと青いトマトが何か関係あるの?」

杏子「あいつはきっと、自分が遭いそうな不遇のケースを脳内で網羅しておくことで、最悪の事態を避けられるって信じてるに違いない」

杏子「でも、だからこそマミは知らないんだ」

杏子「理由のない感情の存在を、きっぱり否定してるからな。辛くなるのには何かしらの訳があるって、そう思いこんでる」

杏子「でもな、そんなことしてると、いつか突然襲ってくるんだ。本当に突然なんだ。ちゃんと心の準備をしといてるはずなのに、ぜんっぜん効果がないんだ」

杏子「でも理由は見つからない。どうしてアタシは苦しいんだろう、何がアタシの心をこんな一瞬でズタズタにしたんだろうって、悩んでも悩んでも分からない」

まどか「……だからもっと苦しくなる」

杏子「あいつにだけは、そうなって欲しくないんだ。アタシは」ガブッ

杏子「……やっぱ苦いな。塩でもかけるか」

まどか「塩トマト?聞いたことないなぁ」

杏子「邪道であることに変わりはねーよな」パッパッ

まどか「……どう?」

杏子「これじゃあ駄目かもな。第一、アタシが嘘つきみたいじゃねーか」

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