24: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:02:27.49 ID:QSF+h4q+o
「人の噂も七十五日というじゃないか。このままフェードアウトしていくだろう」
俺はもっともなことを言うことにした。
むしろこれ以外まともな打開策がない。
25: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:03:23.42 ID:QSF+h4q+o
……
美術の時間はそれでも続いていく。
ペアの東福寺さんを描いては描く。とにかく作品としての最低限基準をクリアし
さっさと片付けることだけを考えていた。
26: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:03:54.54 ID:QSF+h4q+o
終わったのはいいことだが、想定外のことが起きた。
東福寺さんは完成できていない。これは困ったものであった。
自分の作品ばかりを集中していたため、東福寺さんの作品自体全く気に留めていなかった。
「あとどれぐらいで完成出来そう?」
27: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:04:28.58 ID:QSF+h4q+o
……
放課後に東福寺さんの作品の完成を付き合う為、俺は美術室へと向かった
28: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:06:09.51 ID:QSF+h4q+o
東福寺さんはとにかくパレットと俺を交互に見つめ描いている。
退屈だ。こっそりイヤホンでも付けて音楽を聴きたいところだが、美術の先生も滞在しているのでそれは出来そうもない
作品を完成させれば開放されることは間違いない。これで御役御免。
東福寺さんも俺も、変な噂から開放される日が来るのだ。
29: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:07:38.49 ID:QSF+h4q+o
「すみません……なんとかもう少しで終わらせますね」
東福寺さんは少しペースを上げてきた。
さっきより、エッジとキャンバスの弾く音が大きく間隔が早くなった。
30: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:08:48.00 ID:QSF+h4q+o
……
作品は無事に完成された。これで俺と東福寺さんは無関係となれる。
そう思うと、少し悲しいが親衛隊からの痛い視線を浴びずに済むのは大きいのではないだろうか。
31: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:09:14.40 ID:QSF+h4q+o
「ん?」
「はい?」
なぜ付いてくるのだ。あぁ、下駄箱が一緒だもんな。
同じ1年だし、それぐらいはな。
32: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:09:47.30 ID:QSF+h4q+o
「先に帰りなよ」
「そうなんですか? 一緒に帰らないのですか?」
ほう。そう来たか。確かに一緒に帰らない理由は無いかもしれない。
お互いを嫌っているのであれば、話はわかるが、お互い嫌い合っていないのであれば
33: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:10:14.18 ID:QSF+h4q+o
東福寺さんは本当に何も知らないんだなぁとしみじみと思った
「東福寺さんは人気だから、俺なんかと帰るとよくないよ」
「そんなことないですよ、私なんて……全然人気なんてありません」
34: ◆MY5me9jWdo
2013/09/12(木) 16:10:59.28 ID:QSF+h4q+o
「どうしたら、もっとみんなと仲良くできるのかな……」
「俺は友達多くないから、そのことに関してはコメントし辛い」
「じゃあ、その……ご迷惑じゃなければ……友達になってくれませんか?」
おっと、回り込まれた。
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