過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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◆tK49UmHkqg
[sage]
2013/09/15(日) 02:37:08.25 ID:rUu3+dw5o
「なんだ、オーランド曹長?貴様、堅いな。マジメか?」
そのすぐ隣には、ウリエラの隊の小隊長で、この学徒部隊を率いる中隊長も兼任のクレイグ・ハック少佐までが居た。
「ぶ、部隊長!?」
「まぁだ若いんだ、ケンカのひとつくらい、見逃してやれ」
「うぅっ、燃える青春!はかない恋を賭けてぶつかり合う、二つの若さ!いけいけ!」
急に周囲から雄叫びが聞こえだす。振り返ったら、オスカーとカイルが殴り合いを始めていた。あぁ、おい、どうすんだよこれ…まったくもう…!
「いけ!そこだ!」
「中尉!部隊長も!責任者でしょう!?止めるべきです!」
俺は二人に声の限りに訴えた。しかし、二人はきょとんとして顔を見合わせる。
「お前、いいやつだな。だが、若い頃にはこういうことも必要だ」
部隊長が言う。
「戦争のせいで、こんなところに引っ張られて来ちゃっているんだもの。私たちにはもとの生活に戻してあげることはできなくても、せめてこんなときくらい、年頃らしいことをさせてあげたいじゃない?」
中尉も、マジメ顔で言う。でも、そんなだからって…これはケンカだぞ!?だぁっ!くそ!
俺は振り返って、殴り合いを繰り広げている二人の間に割って入った。オスカーを突き飛ばして、カイルに掴み掛る。
「おぉ!アレックスも参戦だ!」
「さすがにウリエルの兄貴分!我慢できなかったのか!?」
「ちょちょ、ア、アレックスまで…!」
周囲の騒ぎが、一段と大きくなる。
「邪魔すんじゃねえよ!」
組みついたカイルが体勢を変えて、俺の腹を蹴りつけてくる。くそ、こいつ、完全に頭に血が上ってやがる…!目を覚めさせようと思って右腕を振りかぶった瞬間、俺は背後から別の強い力で横に吹き飛ばされた。何事かと思ったら、突き飛ばしたオスカーが戻ってきていて、俺を弾き飛ばして、また、カイルに殴りかかっている。
「あっはは!なんだよ、アレックス、もう終わりか?だらしないなぁ!ウリエラがどっちかに取られっちゃうかもしれないよ?」
キリがそう言いながら俺のそばにやってくる。
「うるせえ!そう言う問題じゃないだろ!」
「まぁったく、遊び心のない奴だな」
俺は言い返したが、キリはあきれ顔で俺を見下ろすばかりだ。
「ね、ねぇ、キリ!なんとかしてよ!」
ウリエラが半べそをかきながら、キリに頼み込んだ。
「あ?いいじゃねえか、モテモテだぞ、あんた今さ」
「こんなのでモテてもちっとも嬉しくないよ!私はどっちに告白されたって困るんだから!」
ウリエラの言葉に、キリはピクッと表情を変えた。それからニヤっとして俺を一瞥してから
「あー、なーるほど、ね。そらぁ、まぁ、乙女心は大事にしないとだな」
とつぶやいた。
「おし、そう言うことならあたしに任せな!」
キリはそう言うが早いか、ものすごい勢いでオスカーとカイルに飛びかかった。
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