過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
1- 20
15: ◆tK49UmHkqg[sage]
2013/09/15(日) 02:38:23.46 ID:rUu3+dw5o

「あ、そうだ!トランプ持ってるんだけど、みんなでやらない?」

俺の気も知らないで、ウリエラがそんなことを言いだした。

「お、いいね!賭けポーカーでもしようか」

「ははは、面白そうだな!俺は乗った!」

キリとエリックがそう声を上げる。俺が整えたテーブルについて、さっさとカードを配りだした。まったく、イライラするもの疲れてきた。もうなにも考えたくないな…部屋にでも戻るか…

「アレックスもやるでしょ?」

そう思っていた俺に、ウリエラが声を掛けてきた。あぁ、くそ。お前に誘われたら、断りづらいだろうが…。俺は仕方なしに、テーブルへ着いた。俺とウリエラでポーカーだなんて、最初からイカサマみたいなもんだが…仕方ない。最終的にうやむやにして、勝敗を分からなくしてしまえばいい、か。

 「あ、中尉と部隊長もやります?」

俺がそう思っていたのに、ウリエラはとんでもないことを言いだした。

「あら、いいの?じゃぁ、混ぜてもらおうかな!」

中尉はワクワクした笑顔でそう言いながら、早々とテーブルに着く。

「俺は見学で構わん。若いモンで、楽しんでくれよ」

部隊長も特に止める気はないようだ。

 本当に、この人たちは…今が戦時だってのが分かっているんだろうか?俺たちは、明日から、宇宙での訓練に入る。それが終われば、実戦に投入されるんだ。いつ死んでもおかしくはないんだぞ…緊張感がなさすぎる。

 そんな俺の気持ちをよそに、滞りなくゲームは始まった。屈託のない笑顔で笑うウリエラと、彼女に絡むキリ。その二人と一緒になって、エリックを弄り回す中尉。まるで、映画で見たハイスクールの昼休みだ。そんなことを思いながら俺は、手元に4枚のエースを残して、追加の一枚を引いた。

「…20枚、ベット」

「え!?」

「なっ!?」

「ホントかよ?!」

「ハ、ハッタリでしょう!?」

全員が俺の顔を、見やる。

 俺は手元に来たジョーカーに顔がにやけそうになるのをこらえて、これまで通り、つとめて不機嫌なふりをした。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
71Res/131.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice