過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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2: ◆tK49UmHkqg[saga]
2013/09/13(金) 21:16:49.52 ID:/zOpzK8Q0
ケージには、重苦しい空気が立ち込めている。どのパイロットも暗い表情で、虚ろな目で地区司令官の演説を聞いていた。

連邦軍がここ、ア・バオア・クーへ侵攻中、との情報が入ってから2日。常時警戒体制だった俺たちの緊張と恐怖は、もう、ピークに達していた。

学徒動員、なんて、前世紀の悪習だと思っていたが、まさかこの宇宙世紀でこんなことになっちまうなんてな…

俺は周りにいる同世代のやつらを憐れんだ。俺のように、研究所でこう言うときのためにあれこれと実験を受けてきた人間は、そもそもが戦うために生かされてきた。

いつ 、戦場に投入されてもおかしくはなく、その覚悟はいつだって持ってきた。想像していたよりもずっと早い召集だったが、まぁ、早い遅いの問題ではないだろう。

司令官の演説が終わった。あとは、モビルスーツに乗り込んで待機になるはずだ。

「よっ、アレク曹長!気分はどう?」

解散になったとたん、明るい声が俺の肩を叩いてきた。振り返るとそこには、俺の所属する学徒隊の指揮を執る、若い女性士官がいた。

イレーナ・バッハ中尉。きれいなブロンドを短く切り揃えた美人だ。この部隊の、精神的支柱。

「はっ。殊更、動揺はありません」

俺はそう報告する。すると中尉はニコッと笑った。

「嘘付きね、あなたは。こんな事態ですもの、緊張して当然よ」

中尉はそう言って俺の手を握った。

「あなたのことは、頼りにしてる。みんなを守ってあげてね」

「…は、はっ!」




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