過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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35: ◆tK49UmHkqg[saga]
2013/09/24(火) 21:41:52.49 ID:q9z5J92ho

「エリック、ちびるなよ」

俺もエリックにそう言ってやった。過度な緊張は、それこそ反応速度を鈍らせる。戦闘で重要なのは、どれだけ柔軟でいられるか、だ。

「ば、馬鹿言うな!まだ大丈夫だ!」

まだ、な。エリックの返答に俺は思わず笑ってしまった。万が一戦闘になったら、やりかねない、ってことか。そうだな、俺も、戦闘はごめんだ。

「ケイスより、イレーナへ。本隊の掃討班が近くにいた。到着まで、あと5分」

「5分、か。けっして短い時間じゃないわね。注意してね」

ケイス隊長の報告を聞いて、中尉がそう、警戒を促してくる。俺は、モニターにデブリを写しながらそこに意識を集中させる。行動の変化より気持ちの変化の方が先に来る。今の感触が変化すれば、その直後には攻撃に来るだろう。

万が一、攻撃されるようなことがあっても、その一瞬の間に一声は掛けられる。迎撃体制を整えるには、時間的には十分だ。もっとも、エリックやコンラッドにそれが出来るかどうかはわからないが…。

 ふと、感覚が変化した。やつら、こっちに気づいたか!?

「中尉、気をつけて!来ます!」

「…!各機、散開!」

俺が報告したのを聞いて中尉が怒鳴った。次の瞬間、デブリの影から、モビルスーツが現れた。あれは…なんだ、あの機体?!

 改修型の量産機ではない濃緑にカラーリングされた機体…メインカメラの上部にバイザーのようなものがついていて、やけに長い銃身の兵器を搭載している。

「新型か!?」

ケイス隊長が怒鳴っているのが聞こえる。

「性能がわからないわ、警戒して!ケイス、報告入れておいてね!各機、攻撃は待って!敵の出方をみるわ!」

中尉がそう言ってから

「コンラッドはケイスに着いて!エリックとキリはウリエラと一緒に編隊を組んで!アレク!」

と俺に声を掛けてきた。分かってるよ、中尉。

「ええ、俺とあなたで、陽動を掛ける…」

「出来る?」

「落とさなくていい、って言うなら、そう難しいことじゃありません」

「良かった。一緒に来て」

「了解」

俺と中尉はそう言葉を交わしてモビルスーツを駆った。今日の俺の機体は、この間乗っていた初期のF型とは違う。統合整備計画後の回収されたFU型だ。機動性やパワーは段違い。新型が相手でも、こいつなら、ある程度はやれる。

攻撃を避け続けて、時間を稼ぐくらいはどうとでもなる…!

 俺は最初に飛び出てきた一機にめがけてバズーカを打ち込んだ。当たる軌道ではないが、こっちに気を引ければそれでいい。濃緑のモビルスーツの脇で、砲弾が爆発する。その機体はすぐに方向を変えて俺のほうに突っ込んできた。敵機の抱えていた兵器の銃口が光った。俺は背中に強烈な悪寒を感じて機体を急旋回させる。

その兵器から放たれたのは、ビームだった。

「ビーム兵器!」

中尉の声が聞こえる。

「中尉、気をつけて!こいつら、こないだの斥候部隊とはわけが違う!」

俺はそう怒鳴りながらさらに機体を旋回させる。これは…逃げてばかり、が通用するようなやつらじゃない。数を減らさないと、囲まれたら危険だ…!

 俺はバズーカをさらに撃ち込んだ。敵機が鋭い機動でそれをかわす。だが、それは予測済みだ。俺はその位置にも連続してバズーカの弾を発射していた。直撃させられなくても、相当なダメージは残せるはず。しかし、敵機はそれすらも紙一重で回避する。性能だけじゃない、このパイロット、戦いなれてやがる…!

 また、強烈な寒気…!次の瞬間、肩に担いでいたバズーカがビームで撃ちぬかれた。とっさにそれを投げ捨てて距離をとる。パッと光って、バズーカが爆発した。

「アレックス!」

そう叫ぶ声が聞こえた。ウリエラだ。心配してくれてたのかと思ったら、違った。俺の真後ろに敵機がいた。

しまった!機体を翻そうと思った瞬間、ザクがその敵機に突っ込んだ。ザクは敵機と衝突したかと思ったら、そのまま通り抜ける。敵機が突然火を噴いた。

「アレク、まだ来る!」

中尉の操るザクだった。手にはヒートホークを握っている。助かった…俺は深いため息をついて、残りの敵機を探す。
 


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