過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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◆tK49UmHkqg
[saga]
2013/10/06(日) 03:00:12.05 ID:TlS2R9dP0
ケージに機体を到着させた。ヘルメットを脱いで、待機用に準備されていた仮設のラウンジに向かおうとして、俺は、コクピットを出、ケージの中を漂う。
ふわふわとした感覚に体を委ねた次の瞬間、俺は胸の置くから込みあがるなにかを感じた。
異が裏返り、胸元が裂けるんじゃないかと思うような痛みとも苦しみとも取れない、猛烈な吐き気に襲われて、思わず両手で口を覆った。
そのまま俺は、床面に衝突して止まったが、身動きが出来なくなってしまった。
どうしたって言うんだ、いきなり…あの、声を聞いたせいか?それとも、単純に緊張していたからなのか…?
こみ上げる熱いものを必死でこらえながら考える。
「アレックス!」
そう呼ぶ声が聞こえた。見ると、すぐそばにウリエラが飛んできていてくれた。
「大丈夫?!」
「あぁ、少し気分が悪いだけだ…」
俺はそう言ってみるが、とても大丈夫だとは思えない。なんとか、トイレか汚物処理用のユニットのある箇所に行かないと…
「ほら、これ使って」
そう思っていたら、ウリエラがノーマルスーツの胸元からビニール袋を取り出した。どうしてそんなところにそんなものをしまっておいたのかは…
だいたい想像はつく…ウリエラは俺より能力が強い。あの感じをもろに受ければ、吐き気のひとつやふたつ催して当然だろう。
これはきっとそのための備えだ。そう考えると、俺のもやはり、同じなのか…?
そう思いながらも俺は、礼もそこそこに、ウリエラの手からビニール袋を奪い取るようにして受け取り、
ケージの隅へ行って、せりあがってきていた胃の中身を開放した。無重力化でのおう吐は悲惨だ。
鼻にも入るし、つらいことこの上ないのだが、そうも言ってはいられない。俺はとにかく呼吸だけを確保しながら、気分が軽快するまで、その場ではき続けた。
しばらくして、やっと胸元のムカムカが収まってきた。ビニール袋に封をして、ノーマルスーツの袖で口元をぬぐう。
くそ、なんて姿だ…ウリエラや中尉を助ける、なんていいながらこのざまじゃぁ、助けるものも助けられないじゃないか。
俺は、拳を握って、床を殴りつけた。しっかりしろ…こんなので参ってる場合じゃぁ、ないんだ!
「アレク、大丈夫?」
不意に声がしたので振り返った。そこには、中尉が居た。
「すみません、中尉。心配かけて…」
「ううん…ずっと気を張っていてくれて、ありがとう」
中尉は、そういって笑ってくれる。それから
「移動は出来そう?」
と聞いてきた。出るものが出たら、すこしはすっきりした。俺がうなずいて見せると、中尉はまた笑顔で笑いかけてくれて
「良かった。仮設ラウンジにいるから、来てね」
と言い残して、俺に気を使ったのか、さっさとラウンジの方へと飛び立っていった。まぁ、確かにそうしてくれるのは助かる。
こんなビニール袋を持った状態のままに一緒にいられても、申し訳ないやら恥ずかしいやらで、苦しくなる一方だったはずだ。
俺はとりあえずトイレに向かい、備え付けのエアシューターの中に袋を放り込んでスイッチを押した。
ヒュゴっという音と共に、宇宙空間へビニール袋を投棄された。それから洗面台で口をゆすぎ、仮設ラウンジへと向かった。
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