過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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57: ◆tK49UmHkqg[saga]
2013/10/07(月) 15:14:36.89 ID:7/qYN4WS0

<了解。各隊、各機へ…もう学徒隊は維持できないわ。身近な指揮官に従って作戦を続行してください。お願い、どうか、死なないで…!>

中尉は、搾り出すようにそうとだけ言って、無線をきった。分かってたことだろうに…俺も、中尉も…隊のやつら全員を助けてやれないことくらい。

仕方のないのことだって分かっているのに…くそ、くそ!

<アレク…ウリエラ。キリに、エリック。私達は、ここを離脱するわ。もう、これより後には戦線はないけれど…それでも…>

中尉は今度は俺達に言った。そうだな、そうするしか、おそらく生き残れない…逃げよう、戦場ではない、どこか、静かなところへ…

 <アレックス!>

声がするのと同時に、機体が強烈な力で弾き飛ばされた。今の声、コンラッドか?

スラスターで姿勢を整えた俺の目に映ったのは、ピンクのビームにコンラッド機が胸部を貫かれる瞬間だった。

「コンラッド!!!」

俺はビームの飛んできた方向に目を向けた。何か、来る。俺は、激昂した気持ちが一瞬にして押しつぶされるのを感じた。

なんだ、なんだこの感覚は…まるで、胸が押しつぶされるような…体が締め付けられるようなこの感覚は…!

いったい、なんなんだ、このプレッシャーは…!?

<あれは…!アレク、ダメ!交戦しないで!>

中尉の声が聞こえた。モニターに一機の機影が映りこむ。青いボディに、白い四肢。

量産機とは違うカラーリング…あれは、まさか…連邦の、白い悪魔!?

<中尉!ここ、まずいです!>

ウリエラが叫んだ。別の方向からも、ビームが飛んでくる。これは、ジオン側のビーム砲!?なんだ!?別のプレッシャーが、もう1つ…!?

 俺が見たのは、大型のモビルアーマーだった。まるでムチのような長いケーブルの先にマニピュレーターのようなものをつけ、

それが周囲の連邦機を次々と破壊して行っている。これは、サイコミュ兵器か?!

 <キリ、エリック!ここは危険だわ!付いてきて!アレク、ウリエラを見ていてね!>

「了解だ、すぐに移動しよう!」

俺はウリエラ機をコンピュータ上でマークして機体を滑らせた。俺達に戦意がないことが伝わったのか…

いや、違う、あいつは、ジオンのモビルアーマーに導かれるようにして、戦闘を開始していた。

 奇妙な感覚があった。まるで、意識をその戦闘に引っ張っていかれるような、そんな手触りだった。

この感じ…強烈なニュータイプ能力だ!このパイロット達は、相手の動きを二手、三手以上のレベルで読みきるのか…?!すごい、なんて戦いだ…!

<貴様ら、待て!>

不意に、そう怒鳴る声が聞こえた。モニターの正面に視線を戻すと、そこには3機のゲルググがいて、俺達の進行方向をさえぎっていた。

ゲルググの肩には、親衛隊のものと思しきマーキングが施されている。

<こちらは第1学徒部隊の残存兵力です。この状況では、戦線の維持は困難です。退避して体制の建て直しを…>

<不要だ!>

中尉の言葉を、ゲルググのパイロットがさえぎった。

<この場に残り、戦闘を継続せよ。後退すれば敵前逃亡とみなし、撃墜する!>

撃墜、だと!?俺はその言葉に怒りを隠せなかった。こいつらは状況把握が出来ていないのか?!

この状況でこの場にとどまれば、間違いなく全滅だぞ!まだ覆せると思っているバカなのか、あるいは、俺達を捨て駒にするつもりか…!?

 「ふざけるな!この戦況が見えていないのか?!」

<キシリア閣下のご命令だ>

そうかよ、どうしたってあんた達は、俺達を戦場で殺したいらしいな…それなら、分かったよ。それなら、こっちだって、やってやる!
 


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