過去ログ - フィアンマ「それで、いつ結婚するんだ?」オッレルス「げほっごほっ」
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85: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/09/16(月) 17:51:32.12 ID:mCHPeudP0

「…口を開けろ」
「ありがとう」

トーストを口に運ばれ、彼は素直に食べた。
フィアンマの手から。嫌がったり、躊躇することなく。

「………」

無言のままでいると、オッレルスの手が動いた。
手元にあったジャムをトーストに乗せる。
それから、お返しとばかりにフィアンマの口元へと持ってきた。

フィアンマは思わず硬直する。

嫌という訳ではない。
嬉しいのだが、嬉しいのだけれど。
一般人で言えば、どうせ当たらないだろうと一枚だけ買っておいた宝くじが一等だったような気分に近い。
自分の身には過ぎる幸福だった。

「……何だ」
「いや、食べるかなと思って」

苺ジャムは嫌いだろうか、と首を傾げられた。
そういうことを言っているのではなく、とフィアンマは視線を彷徨わせる。
勘違いさせるのも申し訳ないので、口を開けてあむりと食べた。
僅かに舌先に彼の爪の様な感触があり、顔を引いて、そらして食べる。
表情を作ることなど簡単なのに、顔に熱がこもって、赤くなっていることがわかる。
あまりにも情けないので、左手のひらで自分の顔を覆った。

「フィアンマ、」

こちらを向いてくれ、と手を引かれる。
何の悪気もない笑顔で、可愛いと言われた。
シルビアが時々暴力をふるって黙らせていた理由がわかる気がする。
フィアンマは額をオッレルスの右肩にコツンとぶつけ、暫く無言で羞恥に耐えるのだった。


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