過去ログ - 灰原「工藤君は私のものよ!」 灰原’「いいえ、私のものよ」 コナン「!?」
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854: ◆a8lmdKqpyw[saga]
2013/12/13(金) 20:40:47.14 ID:L5SrWVDy0
コナン「そしたら、もう少し違う人生だったと?」

世良「さあ、どうかなあ。でも、今のボクはとっても歪なような気がするんだよ」

コナン「歪?」

世良「うん、昔から同世代の女の子を見ると疑問に思うんだ。ボクは何故自分を「ボク」と呼ぶのかって」

コナン「それは、別に性同一性障害という訳じゃないよな?」

世良「うん、あくまでボクは自分は女と言う自覚だよ。ただね、女の子らしい話し方、服装、生き方……。そういう物に対して憧れと疎外感の両方を感じていたよ。そうなりたくてもなれない、そんな感じをね。そう思う度胸が痛むんだよ。女の子として生きたい気持ちはあるのに「ボク」と自分を呼ぶことしかできない自分は何物なのか……。酷く歪んだ生き物なんじゃないかって」

コナン「正直、見てる限りは分からなかったぜ……。自信を持って生きているように見えたからな」

世良「うん、さっき言ったように……今の自分が嫌いなわけじゃないよ。ただどうしようもない感情を抱えて、どうしたいのか分からなくなっているのは事実だよ。だからこそ……ボクはキミに魅せられた」

コナン「俺に……?」

世良「キミは前からずっと、まっすぐに生きてる。自分を信じて……ただ一つの自分を精一杯生きてる。時に子供っぽく時にクサい。そんなキミがボクにはとっても眩しく見えたよ。歪んだボクの心も、真っ直ぐになるような。今の自分のまま、それでいて女の子としてもいれる様な、不思議な気分だったよ」

コナン「俺は別に、そんな大したもんじゃないさ……。自分勝手に生きてきただけだよ」

世良「でもその自分勝手は人を引き付けるんだよ。キミの生き方は、そういうものがあるんだよ」

コナン「……」

世良「そうして……一度キミの前から去り、生きてきたけど。結局他に心を揺らしてくれた人には会えなかった。こうして今の職に就いて、でも自分の中の矛盾が解決しないままだった。そんな時、ここに赴任になってキミに再び会った」

コナン「ビックリしたぜ、あの時は」

世良「ボクもさ。ここに来たのもキミのクラスになったのも本当に偶然だったからね。そもそもキミが再びあの高校に通うなんてことすら想定してなかったよ。なるべく昔の事は……キミの事は考えないようにして生きてきたから」

コナン「……」

世良「でも再びキミに会えて、どうしようも無く嬉しくて……。止まらなくなっちゃたよ、気持ちがさ」

コナン「ああ、でもその後の行動が……どうにも一貫性が無い」

世良「うん、ここでも矛盾を抱えちゃったからね」

コナン「矛盾?」

世良「矛盾というか……10年ぶりに会って、やっぱりキミの傍には彼女たちがいたし、歩美ちゃんって子もいるだろ?」

コナン「……ああ」

世良「そんな中に入り込む余地は無いだろうな、とか。彼女たちの気持ちを考えた時にね……。特に灰原って子の感情はさ、分かるからさ。なんとなく」

コナン「……」

世良「だから、邪魔したくないって気持ちもあって。でも気持ちを抑えきれなくて。それでいて、ボクは自分自身の中の疑問にも答えが出せてないからね。どう生きたいのかっていうね。色んな感情がごちゃごちゃになってしまって。だから自分でもおかしな言動になってしまったよね」

コナン「世良……」




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