過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
1- 20
670: ◆D4iYS1MqzQ[sagesaga]
2015/02/07(土) 00:39:01.89 ID:/hiQhNCDo

わたしはテーブルに戻り、ママの前にグラスを置いた。「わたしのはオレンジジュースだよ」と念を押す。
どうせ暗がりだからはっきりと分からなかった。それにママは酔っていて、よく見てもいなかった。

わたしたちは乾杯をした。

飲みこんだ液体は、のどの焼けるような味がした。正直おいしくなかったけど、嬉しかった。
「おいしいね」とわたしは言った。ママは一口飲んでから顔を上げなかった。「まどかー……」声が漏れていた。

詢子「まどかー……、こんな夜更かしして……、また、遅くまで遊んでたのかい?」

魔まどか「ごめんなさい、ママ。遊んでたわけじゃないんだよ……」

詢子「こないだは……、とーり魔にも……、あたしゃ……、ねえまどか」

魔まどか「遊んでたわけじゃないんだよ」

詢子「じゃー……、何してたんだよー……」

魔まどか「この街を守る魔法少女として、悪い魔女を倒してたんだよ」

わたしは急激に顔が火照ってくるのを感じながら、またグラスに口をつけた。
ママはまだ一口しか飲んでいなかった。顔を上げず、わたしの言葉に返事もしなかった。
「寝ちゃったの?」とわたしは声を掛けた。ママはゆっくりとグラスを持ち上げて、勢い良くあおった。
グラスをドンと置き、溜め息をついて、ママはささやくように言った。

詢子「まどかは……、あたしの娘だから」
詢子「どうせ……、自分の生き方曲げれない……って、分かって、る」
詢子「けど……、まどかは……、やっぱりあたしの娘だから」

わたしは胸が熱くなるのを感じた。お酒のせいだけでは無かった。
ママの目に光るものを見て、わたしもこみ上げてくるものを感じた。わたしは聞いた。

魔まどか「まどかが二人いても大丈夫かな」

詢子「二人でも、三人でも……、まどかはうちの子だ」

わたしは泣いていた。嗚咽を押さえられない。最近は本当に、泣いてばかりだった。
わたしはごまかすようにお酒をあおった。グラスを両手で置き、深い息を吐き出す。

魔まどか「ママ……、この間、病院で、ひどいこと言ってごめんなさい」
魔まどか「どうかしてた……わたし。わたしのママは、ママしかいないのに。わたし……っ!」

詢子「あー、もう泣くんじゃない……、いいから、辛い時は飲むんだよー……」

魔まどか「これはオレンジジュースだもん……っ!」

わたしはグラスを空にして、すぐに二杯目を注いだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
699Res/552.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice