過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2015/02/07(土) 00:39:01.89 ID:/hiQhNCDo
わたしはテーブルに戻り、ママの前にグラスを置いた。「わたしのはオレンジジュースだよ」と念を押す。
どうせ暗がりだからはっきりと分からなかった。それにママは酔っていて、よく見てもいなかった。
わたしたちは乾杯をした。
飲みこんだ液体は、のどの焼けるような味がした。正直おいしくなかったけど、嬉しかった。
「おいしいね」とわたしは言った。ママは一口飲んでから顔を上げなかった。「まどかー……」声が漏れていた。
詢子「まどかー……、こんな夜更かしして……、また、遅くまで遊んでたのかい?」
魔まどか「ごめんなさい、ママ。遊んでたわけじゃないんだよ……」
詢子「こないだは……、とーり魔にも……、あたしゃ……、ねえまどか」
魔まどか「遊んでたわけじゃないんだよ」
詢子「じゃー……、何してたんだよー……」
魔まどか「この街を守る魔法少女として、悪い魔女を倒してたんだよ」
わたしは急激に顔が火照ってくるのを感じながら、またグラスに口をつけた。
ママはまだ一口しか飲んでいなかった。顔を上げず、わたしの言葉に返事もしなかった。
「寝ちゃったの?」とわたしは声を掛けた。ママはゆっくりとグラスを持ち上げて、勢い良くあおった。
グラスをドンと置き、溜め息をついて、ママはささやくように言った。
詢子「まどかは……、あたしの娘だから」
詢子「どうせ……、自分の生き方曲げれない……って、分かって、る」
詢子「けど……、まどかは……、やっぱりあたしの娘だから」
わたしは胸が熱くなるのを感じた。お酒のせいだけでは無かった。
ママの目に光るものを見て、わたしもこみ上げてくるものを感じた。わたしは聞いた。
魔まどか「まどかが二人いても大丈夫かな」
詢子「二人でも、三人でも……、まどかはうちの子だ」
わたしは泣いていた。嗚咽を押さえられない。最近は本当に、泣いてばかりだった。
わたしはごまかすようにお酒をあおった。グラスを両手で置き、深い息を吐き出す。
魔まどか「ママ……、この間、病院で、ひどいこと言ってごめんなさい」
魔まどか「どうかしてた……わたし。わたしのママは、ママしかいないのに。わたし……っ!」
詢子「あー、もう泣くんじゃない……、いいから、辛い時は飲むんだよー……」
魔まどか「これはオレンジジュースだもん……っ!」
わたしはグラスを空にして、すぐに二杯目を注いだ。
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