過去ログ - 男「ダークエルフが倒れている・・・・・・」
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[saga]
2013/10/28(月) 22:57:13.75 ID:A2CfaDdV0
朝食を済ませると、ダークの目の前に一冊の本が置かれる。
「これは......!!」
「あれ知ってるのダークさん?」
驚愕の表情に染まるダークに男は問いかける。
すると、たちまちダークの頬が引き上がる。心なしか目も輝いていた。
「この本の名前は......今は存在しない獣人族ウルフルの旅行記、上巻」
「おお、これを知っている人がいるとは......」
「当たり前だ私はこの本を、里でずっと読んでいた」
「好きなんだ?」
「ああ!! この本はな獣人族ウルフルが生涯をかけて、この世界を渡り歩いた
実録だ!! たった一人でこの広い世界を歩いて回ったんだ!! 凄いだろ?」
「ああ、凄いよこの人は。俺もこの本のファンなんだ」
「そ、そうなのか!?」
「ああ、ウルフルは強靭な肉体を持って、この世界を一人で歩いた
でも、それをただ記録した訳じゃない。ウルフルは人を
冒険の渦へと引き込む文才もあった。素晴らしい人だよ」
「ああ、分かってくれる人がいるとは嬉しいなぁ......読んでいいか?」
「......全然大丈夫だよ」
「!! ありがとう!!」
さっそくダークは本を開き、あっという間に本の世界へ入ってしまった。
師匠の話しは後でいいか、と男は思い、夢中に本を読むダークに
微かに微笑んで部屋を後にした。
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