過去ログ - 【モバマス】「橘ありすの電脳世界大戦」
1- 20
18:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/17(火) 18:45:42.89 ID:xpTdZLia0
 いよいよ私の意地も極まって、休日には、夕食後も駅前に繰り出しました。

 その時間帯になると、寒さも一段と厳しさを増して、コートを羽織っていても震えます。

 その日は、あまりの寒さに、観客は早いうちから私ひとりになりました。

 櫻井桃華は、八時まで、私の為だけに歌い続けて、最後には長い長いお辞儀をします。

 私は拍手もしませんでしたが、今までもそうだったので、向こうが気にした様子はありません。

 すると、改札口の方から、私たちよりも一回りほど年上の、スーツ姿の男性が歩いてきました。

 身構えた私を無視し、彼は、親しげな感じで櫻井桃華に話しかけています。

 彼の手で、櫻井桃華の肩にコートが掛けられ、缶のスープが手渡されました。

 相手を信頼しきったような、櫻井桃華の目を見ていると、自分がみじめに思えてきて。

 私は足早に駅前広場を立ち去ると、自宅に帰り着いてすぐ、ノートパソコンを立ち上げます。

 開くのは、私と櫻井桃華の因縁の始まりである、あの掲示板です。

 今見たことを書いてやろうって思いました。

 男の人と親密にしていたなんて、アイドルにとっては致命的な情報です。

 ですけど、本文を打ち込み、投稿しようとした瞬間、私の指は凍りつきます。

「なんてっ……卑怯……っ!」

 歯を食い縛り、ノートパソコンを閉じました。

 自己嫌悪の渦の中、櫻井桃華の笑顔が、何度も浮かんでは消えました。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
33Res/35.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice