過去ログ - P「ある日突然、俺が美少女になってしまった話」
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[saga]
2013/09/21(土) 00:44:15.53 ID:X/SeOlyx0
『もしもし、俺です』
「こんばんわ、プロデューサーさん」
『もうすぐIUですね。うちの子たちはどうですか?』
「絶好調……とは言えませんね。やっぱり信頼していたプロデューサーさんの失踪は堪えているようです」
『そうですか……』
「IUの間だけでも帰ってくることはできませんか?」
『帰ってどうしろって言うんです。今の俺が現れて「プロデューサーだぞ」とか言っても、馬鹿にするなと追い返されるだけですよ』
「私からも説明しますから」
『気休めだと思われませんかね。元気がないから、嘘で元気づけようとしているとかって』
「……かもしれませんね」
『でも、765プロに戻る算段はついてるんです』
「どういうことですか?」
『じつは、IUで結果を残せなかった場合、961プロを辞めてもらうと言われているんです』
「!」
『ただの喝入れかもしれませんが、これはチャンスでもあります。逆に言えば、IUで結果さえ残さなければ、円満に事務所を辞められるんですから』
「わざと負けるつもりですか?」
『そんなことしたら黒井社長にバレます。全力は尽くしますが、こんな新人が優勝できるほど甘い世界でもないでしょう』
「……それは、どうでしょうね」
『勝ち進んでしまっても、いつか765プロのアイドルたちと当たりますからね。その時は俺を負かしてくれるでしょう』
「ふふ、信じてらっしゃるんですね」
『当然です。自慢の子たちですから』
「961プロを追いだされた後はどうするんですか?」
『その件で相談なんですが、765プロにプロデューサーとして最就職とかってできませんかね? 961プロの手回しが無くなるわけですから、また律子が死にかけると思うんです』
「じゃあプロデューサーさんが765プロに戻れるように、その時は私も動いてみますね」
『幸い、金と名前は手に入れましたからね。家を借りたり飯を食べたりはしていけそうです』
「突然現れてジュピターと並んだ、経歴不明の幻アイドルって言われてますからね」
『それから、IU中は俺も忙しくなって、彼女たちのサポートはできません。ですからどうか、彼女たちを支えてあげてください』
「あの、みんなにプロデューサーさんの帰還を仄めかしていいですか?」
『どういうことですか?』
「訳あってプロデューサーさんは姿を見せられなくなってるけど、みんながIUで優勝すれば帰ってこれる……という趣旨のことを、違和感のない内容にして」
『うわぁ、あくどいですね』
「そうでもしなければいけないほど、みんな元気がないんですよ!」
『まあそのあたりはお任せします。そうですね、みんなにメールでも送ってみようかな。もう受信BOXが500通以上あるのでメール開きたくないんですけど……』
「もう正体明かしちゃいましょうか?」
『もしかしたら明日にでも元の姿に戻る可能性がある以上、ギリギリまでそれは避けたいです』
「じゃあ、メールはお願いしますね。必ずプロデューサーさんを負かして、あなたを取り返してみせます!」
『お願いします。それでは、また』
「はい。お体には気を付けてくださいね」
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