過去ログ - モバP「遥か時の彼方 まだ見ぬ遠き場所で」柑奈「唄い続けられる 同じ人類のうた」
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38: ◆BHsoERvI06Cm[saga]
2013/09/29(日) 13:17:54.86 ID:fKRX6K8m0

「……やっぱり、ラブ&ピースを伝えきれなかったな、って感じると、どうにもへこんじゃいますね」

「それでも、沢山の人に貴方の歌は受け入れられたではないですか。彼らの助けになったことは、私が証明します」

 ありがとうございます、と感謝を告げながら、それでも、と柑奈は言葉を続ける。

「笑うだけの元気がない人が居るなら、その人に元気を出してほしい。そうなる様に、歌っていきたいのですが……私も、まだまだですかね」

 少しだけ力が抜けたように笑う柑奈を、クラリスは黙って見つめ続ける。

「父ちゃんも言ってました。歌じゃ食っていけない、救えないって。歌はあくまで娯楽……愛と平和の歌で世界を救うなんて、綺麗事、ガキの戯言だって」

 遠くを見つめるように、柑奈は少しだけ顔を上げた。

「でも……私は現に、歌に支えられてきました。聞くのも、自分で歌うのも、その好きという気持ちが、私の中心になっていったんです」

 綺麗事を唄う事を、嫌う人がいるのもわかっている。
 頑なな心を変えるだけの力は、まだ自分にはないのかもしれない――柑奈は、それを痛感していた。

 だが、それでも――

「……聖書には、このような言葉があります。“敵を愛し、迫害する者のために祈れ。天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも正しくない者にも、雨を降らして下さるからである”と……」

 不意に、柑奈の言葉を聞いているだけだったクラリスが、口を開いた。



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