過去ログ - まどか「安価で1レスSS選手権!!」part9
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201:日常における戦闘という事で許して[saga sage]
2013/10/04(金) 19:42:07.52 ID:/pyjiRf2o
アイツは今もどこかに身を潜めている――その気配を巴マミは肌に感じていた。

腰を低く低く屈めた体勢で、地面に付くほどに耳をそっとそばだてて、何か僅かの物音、動きを探る。

しかしマミの周囲の空間は、依然として静謐とした佇まいを崩そうとしない。

どこだ?どこに隠れている?

現在マミの手にはいつも愛用している魔法のマスケット銃は握られていない。

この空間ではそれは無用の長物、代わりに捕縛用である魔法のリボンが握られていた。

対象のサイズは至極小さい、精密なリボン捌きが必要とされるが、やるしかなかった。

「マミ、マミ!」

その時、大きな声で背後から自分を呼ぶキュゥべえ。

極限の集中を乱されたことに苛立ちながら、巴マミはそのままの姿勢を保って無警戒に振り向いた。



そこには、それまでマミが探し求めていた宿敵――ゴキブリが、だらんと垂れ下がっていた。


マミの目と鼻の先に、キュゥべえの口に咥えられジタバタともがく、あの黒い昆虫がいた。

「キミが必死に探していたのはこれだろう?よかったらボクが食べて処理して――」

「いぎゃああああああああああああ!」

発狂。絶叫。そして繰り出されるマミ渾身のキック。

すくい上げるようにして彼女のつま先は、器用にゴキブリを避けつつも、キュゥべえの顎をやや右斜め下辺りから跳ね上げた。

ふわりと宙を舞うキュゥべえとその口に囚われたゴキブリ。「しろまる」に映える黒点。

部屋の窓は、換気のために開かれていた。そしてその隙間は、少し広過ぎた。

――星空が、とても美しい、そんな夜の出来事だった。


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