過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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17:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:30:33.45 ID:FkLb1xlW0
風の刃が一つ触れるたび、蛇の付根は確実に削られていく。
ぼたぼたと蛇の血が流れ落ちる。
それは、赤い水たまりを地面に描いた。
一段階目の終わりが近づいている。
蛇が切断されたのは、ちょうど、獅子の頭がガレキから抜け出た瞬間だった。
キマイラは悲鳴にも似た雄叫びをあげる。
いや、似ているのではない。悲鳴だ。
それは、彼らにも痛覚があるということの証明にもなる。
キマイラの咆哮は、幻の『町』の中を木霊した。
同時に、それは第二回戦開始の合図でもある。
出血多量。連結部位を一つ破壊したとはいえ、相手は獅子の体と鷲の翼を持っているのだ。
いぜんとして油断できる相手ではない。
なおも勢いを緩めぬ獅子の爪。
風切音も、尻尾を斬り落とされる前となんら変わりない。
ただし、出血の影響か、体全体の動きは鈍っている。
油断はできないが、確実に脅威は下がっている。
マートに少し余裕ができた。
ちら、と一瞬だけスケアクロウの方を見る。
向こうもひと段落ついたようだ。
仕事納めは確実に近づいている。
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