過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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37:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:04:02.81 ID:FkLb1xlW0
消耗している状態の時、人は思わぬミスをする。
今のマートの場合、それはガレキにつまずいたことだった。
推進力を増していた彼女の体は、盛大に転倒した。
同時にそれは、大きすぎる隙となった。
竜の尻尾が振り下ろされる。
このようなピンチに陥った時、必ず人は目を瞑ってしまう。
それはおそらく、体が諦めてしまっているからなのだろう。
それでもなお、マートの心は諦めてはいなかった。
だからこそ、奇跡など望まぬ彼女が奇跡を手繰り寄せることができたのだ。
奇跡の内容は救援。
たまたま通りかかった別の魔術士が、たまたまマートと竜の間に割って入ってきてくれたのだ。
「大丈夫ですか?」
凄惨たる戦いの現場に似つかわしくない、優しい笑顔でその魔術士は呼びかける。
「だ、大丈夫です。ありがとうございます」
助けられたからには素直に礼を言う。
マートも、そこまで礼を欠いてなどいないのだ。
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