過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part7
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314: ◆IRWVB8Juyg[saga]
2013/10/06(日) 01:48:51.96 ID:WcMWkiI+o
 一歩も引かない加蓮に奈緒が業を煮やし、叫ぶように言う。
 加蓮も答えるように、さらに大きな声で叫んだ。


奈緒「あたしだっていやだって言ってるんだ!」

加蓮「だったらっ!」


 2人がつないだ手を突き出すと、奈緒と加蓮の身体から出た泥が巨大な槍を生み出して翼蛇龍の身体へ穴をあけた。
 ひるんだ翼蛇龍が下がったところを琴歌が何度も蹴りつけて鱗を剥がし、光と炎の矢が撃ちぬく。

 翼蛇龍の翼は折れ、地へと倒れ伏した。


加蓮「いっしょに戦ってよ。――お願い、見てるだけでいいなんて言わないで」


 加蓮の声が震えている。見ると、その目には涙が浮かんでいた。

 手の届かなかった世界へ飛び出した理由。加蓮が今でも形を変えて求め続けているもの。
 それは『持っていなかった』ものたちへの羨望。羨ましいと、繋がっていたいと思うもの。

 ――それは、彼女が世界を呪った理由。


奈緒「……わかった。今の、もう一回いけるか? 身体の中心を撃ちぬけば――」

加蓮「――うん、大丈夫。いけるよ」


 2人の身体を包むように泥が現れ渦を巻き始める。
 強く大きく、激しく鋭く――轟々と荒々しく。

 這いつくばった翼蛇龍は逃れるべく地へ染み込もうとする。


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