過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part7
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348: ◆zvY2y1UzWw[sage saga]
2013/10/08(火) 00:15:17.20 ID:7FxjE8880
少し間をおいて、部屋に小さな穴が現れた。夏樹が向こう側から話しかけてくる。

「奈緒、お疲れ。ちゃんと正確な座標データ入手できたからな。」

「問題なさそうか?」

「ああ。でも距離のせいであまり大きな穴は無理だな…。いざという時駆けつけられない」

確かに人が通るのは無理そうだ。こればっかりは仕方ない。

「そうか…まぁ、ちょっとした物は送れるし、無線とかは感づかれる可能性あるし…十分だって」

「まさか奈緒に慰めて貰えるとはなぁ…」

「さりげなく酷いな…」

「はは、冗談だよ。…とにかく、無茶はするなよ?」

「…ああ、いざとなったら全力で逃げる。捕まるのだけは避けるよ。なんとしても…」

「…みんな、待ってるからな。」

「おう。」

報告書を手渡すと穴が消え、非常にシンプルな部屋に静寂が戻った。

ギプスとヘッドホンをつけ、都市に出る準備をする。やはり現地の本やら新聞やらなにやらはあって損はないだろう。

窓の外を見ると、非常に綺麗な街並み。水路にはバスのような船が浮かび、少し遠くに公園が見えた。海底都市はやはり地上とそこまで文化に差がないようだ。

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「うおっ!」

そこに、突如竜の咆哮が響き渡った。

「すげぇな…街の人皆平然としてる…」

話しには聞いていた、ウェンディ族を守護する海神の雄叫びであるというそれ。いちいちビビってたら怪しまれるだろうか…

(まぁ慣れるしかないか。…というか、気のせいか?あの声…)

奈緒は何か感じていた。あれは見守ってる証の様には聞こえなかったのだ。

苦しんでいるような、誰かを呼んでいるような…

とにかく、情報を少しでも手に入れる為、奈緒は街へ踏み出した。

悪魔が彼女を見つけても…死ぬことはない。だから彼女は積極的に動き、調べ出す。

一種の無茶を、無意識に行っていた。


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