過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part7
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55: ◆IRWVB8Juyg[saga]
2013/09/25(水) 17:34:27.97 ID:Ui4Yzw5Ko
 きっと自分を疑いの目で見ているだろう、と杏は思った。
 顔をあげずに、今の失言をどう弁明したものか、それとも誤魔化すかを思案する。

 しかし自分の中へと再び感情を戻そうとした杏に、きらりはそれでも明るく声をかけた。


きらり「でもでも、きっと……だーいじなことがあるんでしょー? だからだいじょーぶっ! みんなでがんばゆから!」


 ――何も知らないくせに。

 どうして信じられるというのかが理解できず、杏は思わず顔をあげてしまう。
 きらりと輝く瞳に曇りは一点もない。疑うという言葉すら知らないのではないか、と彼女は思った。


杏「……どうして?」


 こんな怪しい状況だ。
 口先三寸だけでごまかせないのならば面倒は押し付けて多少の強引な突破を杏が考えていたというのも、事実だ。

 それでも少しの疑いも持たず、信じると断言する目の前の存在が。
 そんな少女に文句も言わずつきそう仲間が、不思議でならなかった。


きらり「困ってる人は、助けなきゃ! どんな人でも、しょんぼりしてたら、むぇーってなっちゃうにぃ?」


 質問に対して、こともなげにきらりが答える。
 それが当たり前のことなのだと、疑いもせずに――


 ――否――


 ――『人間ではないのだろう』と見抜いたうえで助けると。


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