過去ログ - 遊佐司狼「神栖66町?」 -SS速報VIP

過去ログ - 遊佐司狼「神栖66町?」

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55:ゾードン[saga]
2013/09/23(月) 23:25:13.14 ID:7Grk61Et0
　ややたどたどしい人間の言葉を話す甲冑を着込んだバケネズミの兵士は全身血まみれの状態だった。

　「やっぱりかよ！」

　司狼は兵士の言葉を聞くやいなや貴賓室を飛び出し、外に出てみると、コロニー内は阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。コンクリートの建物、地面、木というあらゆる場所に爆殺されたバケネズミの兵士達の

以下略

56:ゾードン[saga]
2013/09/23(月) 23:31:42.29 ID:7Grk61Et0
　黒服の人間達は司狼の姿を見るやいなやバケネズミ達に対する攻撃をやめ、司狼に近づいてくる。司狼は近づいてくる町の人間達に向かって躊躇なく引き金を引き、
コロニーの地面を町の人間達の血で染め上げた。

　「仕掛けてきたのはテメエ等が先だぜ」

以下略

57:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:17:17.11 ID:9uY3Vfri0
　町の外にバケネズミ達を待機させた司狼は、一人町の中央の広場の様子を見ていた。町の広場の中央には柱に縛られて、身に着けている衣類を剥ぎ取られた傷だらけのバケネズミがいた。

　そう、スクィーラだ。分かりきっていた筈だ、予想できていた筈だ。なのになぜ町の人間達と「対話」するなどという選択肢を選んだのだ？　町の住民達は柱に縛られているスクィーラを取り囲み、嘲笑し、冷笑し、
罵詈雑言の嵐を浴びせ付け、指を向けて笑っていた。そう、縛られているのは人間ではない、「バケネズミ」なのだ。

以下略

58:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:27:10.64 ID:9uY3Vfri0
　自分の危険も顧みず、ミノシロモドキに記録されたバケネズミの真実を伝えようとしたスクィーラ。町の人間達に自分たちの「歴史」と「真実」を知ってもらおうとしただけの筈だ。

　その仕打ちがこれだろうか？　分かっていた、司狼もこうなることは大方予想がついていた。そう、知っていた、知っていた筈だ……。

　「わ！　我々バケネズミの歴史を聞いた筈です……！　我等の「正体」もミノシロモドキに記された筈です……！　なぜそれを理解……でき……ないのですか！」

以下略

59:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:49:14.13 ID:9uY3Vfri0
　「スクィーラ。お前はこんな奴等と話し合おうとしたってか？　こんな連中がバケネズミを認めてくれると思ってたのか？」

　スクィーラとの「約束」を思い出す司狼。自分の命を投げ捨ててまでやり遂げようという意志と覚悟を汲み取り、この「作戦」を承諾したのだ。広場の中央では呪力によるスクィーラへの蹂躙劇が
繰り広げられていた。司狼は黙ってそれを静観していた。そしてそれは確実に司狼の心の中の「火山」を爆発させる原動力となった。「火山」が爆発した瞬間、自分でもどうなるか分からなかった。

以下略

60:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:52:27.97 ID:9uY3Vfri0
　「渡辺さん、できますね？」

　「ええ」

　渡辺早季という名の少女は不気味な生物へと変わり果てたスクィーラの身体を呪力で「火葬」する。

以下略

61:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:53:10.62 ID:9uY3Vfri0
　「アセトアミノフェンアルガトロパンアレビアチンエビリファイクラビット
クラリシッドグルコバイザイロリックジェイゾロフトセフゾンテオドールテガフールテグレトール」

　これこそ司狼の渇望(ねがい)、矮小な念動力程度の力で神を気取る者達へ送る狂気の呪い。そしてこれは自
分達を家畜と蔑む神の名を語る者達からの脱却を望むバケネズミ達の願い。

以下略

62:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:55:24.56 ID:9uY3Vfri0
　狂気的なまでの渇望により、創造位階にまで達した司狼。

　そして司狼の渇望である「自滅因子」は神栖66町全体を覆い尽くしていた。この範囲にいる限り、司狼が作り出す世界のルールを強制される。

　「な！？　何だ！？」

以下略

63:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:57:19.02 ID:9uY3Vfri0
　町の人間達の悲鳴が町中に響き渡る。先程までバケネズミへの嘲笑と侮蔑に彩られていた顔が一転してバケネズミへの恐怖に変わった。

　呪力も発動できないこの空間では町の人間達は単なる「人間」でしかない。戦争慣れしたバケネズミ達の相手など務まりはしないのだ。

　ある町民はバケネズミの兵士の槍で突き殺され、ある町民は無数の弓矢の的にされ、ある町民はバケネズミ兵士の群れに「解体」され殺された。

以下略

64:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:58:14.47 ID:9uY3Vfri0
　「や！　やめろ！　私を誰だと思っている！！？？」

　屋根の上からはバケネズミの兵士達に命乞いする鏑木の姿も見えた。先程までは威厳のある態度だったのが今や怯えているだけの単なる人間でしかなくなっている。
頼りの呪力がなければこうも容易くメッキが剥がれるのか。

以下略

65:ゾードン[saga]
2013/09/24(火) 00:58:42.79 ID:9uY3Vfri0
　スクィーラにトドメを刺した少女も、同じ年頃の少年と共にバケネズミの兵士達から必死で逃げていた。

　「ああ、アイツもいたんだっけな」

司狼は屋根から降りると、兵士から逃げ回る早季と少年にあっという間に追いつき、二人の前に立ち塞がる。

以下略

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