262:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 17:55:27.70 ID:7lT6AaiP0
「君達にとっての『天敵』を一つ、私は保有している」
その言葉にステイルは硬直した。
『幻想殺し』。いや、『殺人鬼』と言った方がいいのだろうか。
263:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 17:56:14.03 ID:7lT6AaiP0
このタヌキが。
ステイルは初めて目の前の『人間』に敵意に似た感情を持つ。
『彼』が無価値である筈が無いのは正面からぶつかったステイルにはよく分かる。
たしかに、『あの力』を理解し教会に持ち込むことは不可能だ。
おそらく学園都市側もそうであろう。
264:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 17:56:39.77 ID:7lT6AaiP0
「吸血殺し……」
呟いたステイルの顔は解けない謎に直面した学者のそれであった。
『ある生き物』。
265:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:03:31.52 ID:7lT6AaiP0
安っぽいファーストフード店の二階にある窓際の四人掛けの禁煙席。
上条はそこに座っていた。
どうしてこうなっている、と上条は天井を仰ぐ。
上条の他に座っているのはインデックス、青髪ピアス。
――そして、巫女さん。
266:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:04:12.12 ID:7lT6AaiP0
包帯をしっかりと巻き付けた上条は、二人分程の視線を感じ取る。
「なんだよ?」
視線はインデックスと青髪ピアスのものだ。
267:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:05:21.03 ID:7lT6AaiP0
「あの、もしもし?」
だが、上条の性格上放っておくこともできなかった。
巫女さんの肩がピクリと動く。上条には見えないが。
268:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:06:12.45 ID:7lT6AaiP0
「やけぐい」
何の前触れもなく、巫女さんが呟くように言葉を発した。
「は?」
269:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:07:12.99 ID:7lT6AaiP0
じー
「は?」
上条は救いを求めるかのような視線を感じ取る。
270:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:07:58.61 ID:7lT6AaiP0
「チッ」
盛大に舌打ちした。
「喧嘩売ってんのか!」
271:土蜘蛛[sage saga]
2013/10/20(日) 18:08:37.72 ID:7lT6AaiP0
本人達は100円を巡って交渉しているだけだが、端から見るとじゃれ合っているようにしか見えない。
不機嫌ですといったオーラを全開にしているインデックスはストローをガシガシと噛みながら敵意のこもった目で巫女さんを見る。
「巫女装束を見たあたり、卜部流見たいだけど。卜部の巫女は顔も売るの? 『巫女』って平安時代では娼婦の隠語だったみたいだけど」
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