310:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 00:55:36.86 ID:8RW+J+7U0
「話を戻そうか。アレ自体は大した事ないが、吸血殺しを押さえつける『何か』を持っているからね。それに、『ある生物』を飼いならしているかもしれない……、考えたくないけどね」
「ま、吸血鬼が居た場合は俺が殺せる。そんなのより優先するべきは敵の大将だろうが」
「ん? ああ、それなら問題ないさ」
311:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 00:57:17.98 ID:8RW+J+7U0
「そうだね。『公式』『定理』といったものを彼らは知ろうとする。でも、真の目的はその先だ」
「先……?」
「ああ、世界の全てを頭の中でシミュレートする事さ」
312:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 00:57:47.68 ID:8RW+J+7U0
「で、未来を計るための計算機になるのが錬金術師の目的ってか?」
いいや違うね、とステイルは吐き捨てる。
「自分の頭の中で思い描いたモノを現実世界に投影できたら、どうなると思う?」
313:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 00:58:19.29 ID:8RW+J+7U0
「ま、大丈夫さ」
気にした風の無いステイルに上条は苛立つ。
もし、そんなものを使われたら、勝とうとする事自体がバカらしいのだから。
314:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 00:59:01.56 ID:8RW+J+7U0
『田』の字を作るように配置されたなんとも不思議なビルではあるが、上条は何も感じなかった。
姉さんの話に聞いた円形ビルの方が実物を見てないとは言え、印象に残るだろう。
「最初の目的地は南棟の五階――食堂脇だね」
315:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 00:59:40.04 ID:8RW+J+7U0
上条は蒼紅い眼でジッとビルを見上げる。
線が二重に視えるだとかそんな事は無い。
ただの、普通のビルだ。
「そうだね……、何も怪しいところが無い。見当たらないさ。専門家の僕が見ているのにね」
316:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 01:00:14.78 ID:8RW+J+7U0
冷や汗が出てきた。
何か知らんが、コイツなら俺を盾にしそうな気がする、と上条が汗を拭いながら考えていると、
「ほら、行くぞ」
317:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 01:01:07.45 ID:8RW+J+7U0
「安心しろ」
唐突にステイルが真面目な顔で、ゲームの名前を思い出そうとしていた上条にそう言った。
上条はそんなステイルを見て、
318:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 01:01:52.05 ID:8RW+J+7U0
ガラスの入り口をくぐり抜けても、別段変わった様子は無く、ただ広いロビーが広がっていた。
奥にはエレベーターが四基並んでおり、そのうち端の一つは荷物搬入用か大きかった。
そしてエレベーターのある場所から横手に入ると非常階段としてしか機能していないであろう飾り気の無い階段がある。
そんなロビーを生徒達が行き来している。
319:土蜘蛛[sage saga]
2013/11/27(水) 01:02:22.76 ID:8RW+J+7U0
「ああ、アレが気になるのかい? 気にしなくてもいいと思うよ。…………」
ステイルが何やら忌々しげに呟いているのを上条は無視して、ソレ――鎧を着た人間に近づく。
静かにゆったりとした足取りで近づいていく。
微かに、ほんの微かに呼吸音が聞こえる。
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