349:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 20:56:53.39 ID:5OTETL5o0
凄まじい勢いを保って、黄金の鏃が飛んでくる。
右の手を側面に触れるように振るう。
正面から受けると手が傷つく可能性があるからだ。
青年の手元に戻った鏃は風化するように消えていく。
350:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:22:14.29 ID:5OTETL5o0
鏃の一つが上条を追う事をやめ、通り過ぎていく。
その先にいるのは姫神秋沙。
「間に合えっ」
351:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:22:55.32 ID:5OTETL5o0
「てめぇは、殺す! 境界の外側の存在なら……いいよなぁ」
「ひっ……」
一瞬で懐へと入り、ナイフを振るう。
352:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:23:58.22 ID:5OTETL5o0
「避けられん程の黄金があればいい。手持ちは1982人前。必然、これで倒せんはずが無い」
アウレオルスの声はどこか狂っていた。
嗤う。
嗤い声が長い通路に響く。
353:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:25:10.71 ID:5OTETL5o0
アウレオルスはギチギチと固まった動きで振り返る。
その先に、猛禽のような目で睨みつけてくる、鬼がいた。
「う、ううああああああああああああ!!!」
354:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:26:02.30 ID:5OTETL5o0
上条は無言だ。
ただ蒼紅い眼がアウレオルスを射抜く。
「ぃ、ぎ、…………生ぎ、だい」
355:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:26:32.90 ID:5OTETL5o0
アウレオルスは、自らが人でない事を知った。
上条のナイフによって供給用のケーブルを断ち切られたときの脱力感。
そこから気づいてしまった。
「なら、何故だ。このまま果て逝く事さえ許せぬか?」
356:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:27:30.71 ID:5OTETL5o0
――、その頃。
白いシスターがとある男子寮から飛び出していった。
「ふふ、久しいな禁書目録。変わらぬ君の姿が美しい」
357:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:28:09.75 ID:5OTETL5o0
ステイルは、すぐにどこかへと行ってしまった。
仕方なしに上条は姫神の元へと戻っていった。
目の前の少女はここでしか出来ない目的のためにいると言う。
アウレオルス=イザードがいなければ出来ない事を。
358:土蜘蛛[sage saga]
2013/12/15(日) 23:29:33.15 ID:5OTETL5o0
「いいから、出るぞ」
「ダメ。アウレオルスは言った。助けたい人がいるって」
「一人では出来ないと。彼らの協力が必要だって言った。だから私は約束した」
「私はアウレオルスを助けるために。殺すためじゃなくて助けるために」
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