416:土蜘蛛[sage saga]
2014/01/10(金) 20:40:09.19 ID:m0EQjzK30
〜第一章〜
「ふわあぁぁ……」
盛大に欠伸をしながら伸びをする。
その動作に軍服に似た黒の服が連動して腰に差したナイフがチキリと音を立てる。
退院してからというものの、上条は学校にも家にも帰っていない。
インデックスを小萌先生へ預け、探し物をしていた。
あの夜にあった、死の気配をまとった白髪の少年。
夜に探し、銭湯へ行き、どこかのビルの屋上で眠る。
こんな生活を二週間近く続けている。
昨夜はアンチスキルに見つかって鬼ごっこをし、やっと朝になり近くの公園のベンチでコンビニで買ったサンドイッチを貪っていた。
「あ、飲み物買ってねえ」
ふと気づいた。
サンドイッチはカツサンドにレタスサンドにハムタマゴサンドを買ったが、飲み物は買ってない。
チラリと横を見ると、自販機があった。
かつて、上条の千円札を飲み込んだ過去を持つ自販機だ。
財布の中には、最低でもあと三週間は過ごせるだけの金が入っている。
だが、
「……小銭が無い」
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