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922:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/26(月) 00:26:05.83 ID:9PJyBxIE0
「鎮守府が見えてきたよ！」

そう言う島風の指差す先には、確かに私達の鎮守府がある。
目立った追撃もなく、私達は鎮守府近海まで戻ってこれたのだ。

「鈴谷は大丈夫？」

「えぇ、気を失ってはいますが息はたしか「いよっと！「きゃぁ!?」

それは正に不意打ちと呼べるものだった。
今までピクリともしなかった鈴谷が急に跳ね起きたのだ…
一応言っておくが、身体は変わらずにボロボロである。

「鈴谷！まだ動いては…！」

「もぅ…熊野は心配性なんだから。
もたもたしてると置いてっちゃうぞ」

そう言い、踵を返した鈴谷は大破してるとは思えないほどの速さで鎮守府へと向かってしまった。

「は、はっやーい！」

そう、速さに絶対的な自信を持つ島風すらも目を丸くするほどに…
だけど、私たちはそこまで速さが出るようにはできていない。
だから、それは確実な過剰稼働…解りやすく言えば無理をしているのだ。

「鈴谷！あなたはいつもどうしてそうやって…」

いち早く鎮守府に帰って入渠したい気持ちが解らないわけでもない。
しかし、今の自分の状況、私たちの心配などを考えなさすぎではないのだろうか…

なんだか無性にいらだちが募った。

なんだか無性に許せなかった。

なぜだか涙が出てきた…

「熊野さん、私たちも行きましょう？」

鳳翔さんが後ろから私の肩にそっと手を置く。
それに私は小さく頷くと５人になってしまった艦隊を引き連れ鎮守府へと向かっていった。

「鈴谷はどうして…」

きっと私の気持ちなど解っていないのだ…
そんな不満がポツリと言葉になってしまって出てしまう。
本人がいないここで言っても、それはただの愚痴でしかないのに…

「熊野さんの気持ちも解りますけど、あまり鈴谷さんを責めないであげてくれますか？」

「解っていますわよ…」

たぶん、解ってなどいない…
頭で理解するのと感情が必ずしも一致するとは限らないのだ…
だから、今の私は理解できてない。

鈴谷のことを何も…

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