44:律「うぉっちめん!」 [saga sage]
2013/09/25(水) 15:32:25.80 ID:yFOnK56a0
唯『やばい 止まれない 止まらない♪
昼に夜に朝に singing so loud♪
好きなことしているだけだよ girls go maniac♪
あんなメロディ こんなリリック♪
探していきたいんだ もっともっと♪
みんな一緒にね♪
chance chance 願いを jump jump 掲げて♪
fun fun 想いを shout shout 伝えよう♪
ミスったらリハって事にしてもっかい!♪』
すごい。完璧だ。
顔色ひとつ変えず口を回している。どこで息継ぎをしているか、私にもわからないくらい。
楽しそうに、活き活きと、この難曲を歌いこなしている。
唯は私への慰めや自己暗示なんかじゃなく、本気で放課後ティータイムの自分なら歌えると
言っていたんだ。
唯『誰ももってるハートって言う名の小宇宙♪
ギュッと詰まっているよ喜怒哀楽や愛♪
シュンてなったり ワクワクしたりbusy♪
カオス満載な日々歌にしちゃおう ぶちまけ合っちゃおう♪
授業中も無意識に 研究する musicianship♪
エアでOK雰囲気大事 不意に刻むリズム♪
通じ合っちゃう ビート マインド 自由にエンジョイ♪
楽しんだもんが勝ち!♪』
高音も出しきっている。唯がここまで高い声を出せるなんて。
もしかして、ムギは最初から確信していたのだろうか。唯がここまで完璧に歌えると。
私はムギに信頼されているだろうか。今の唯みたいに。
私は唯みたいに歌えるだろうか。こんな完璧に。
これが才能なのか。これが才能の差なのか。私と唯の。
唯は音楽の神に愛されている。神の賜物だ。センスもテクニックもカリスマも。
私は唯に魅せられるだけ? 私は唯を羨むだけ?
私は……
唯『ごめん 譲れない 譲らない♪
縦・横・斜め swinging around♪
好きな音 出してるだけだよ girls go maniac♪
あんなグルーヴ こんなリバーヴ♪
試していきたいんだ ずっとずっと♪
息合わせてね♪
chance chance 明日を break break 夢見て♪
faith faith 強気で shake shake 盛り上がろう♪
浴びたら忘れらんないっしょ 喝采!♪』
2016年8月14日。私と律と梓はステージの上にいる。放課後ティータイム6thアルバムツアー、
札幌ドーム2DAYSの二日目だ。
開演から二時間近くが経ち、コンサートは佳境を迎え、盛り上がりは最高潮に達している。
私達三人の声、一挙手一投足すべてに観客が反応し、歓声を上げる。
澪『じゃあ、最後の曲です』チラリ
私は左側にいる梓の方を見遣り、次に後ろに展開されているオーケストラに眼を向ける。
アイコンタクトの後、梓のアコースティックギターがスローに掻き鳴らされた。
やがて、ギターにストリングスの音色が重ねられる。いいぞ、完璧だ。
そして、律のドラムが…… お、おい、ちょっと待て。早いって。入るのが早いよ、律。
私が律の方を向いて大きく首を振っているのに、彼女は気づかない。
澪『ストップ、ストップ! ちょっと止めろ!』
律も梓もオーケストラも怪訝な表情で演奏を止める。
客席はざわめき半分、歓声半分。
澪『律、入るのが早い!』
律『はあ!? それくらいフォローしてくれてもいいだろ!』
澪『お前がそれだと後からおかしくなってくるんだよ! 何年ドラムやってんだ!』
律『うるせえ! 死ね!』
澪『なっ……! お前が死ね!』
観客『フゥウウウウウ!』パチパチパチパチ
観客『イェエエエエエエエエ!』パチパチパチパチ
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