2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/09/26(木) 01:00:13.82 ID:ZT2DrA0fo
コンクリートの濡れる香りが、風に乗って運ばれてくる。
ぽつぽつと降り始めた雨が、地面を濡らしていく。
勢いこそ強くはないが、空を見る限りしばらく止みそうにない。
波も穏やかで、風もゆるやか。
曇った空が水面に映り、あたり一面、色素を失ったようにみえる。
「…………いい雨だね」
執務室の小さな窓から見える、変わらない鎮守府の景色。
普段より少しだけ静かな外を眺め、彼女はそう呟いた。
妙にボーキサイトの減りの激しい資材報告書を睨んでいた提督は、その声につられるように、彼女へと目をやる。
三つ編みにした綺麗な黒髪と、跳ねるアホ毛が特徴的な彼女は、窓の向こうをじっと見ていた。
「時雨?」
提督の呼びかけに、時雨はゆっくりと振り返る。
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