22: ◆XtjOmDyc46[sage saga]
2013/09/27(金) 18:57:49.47 ID:71Y1R1Gco
時雨にとって、昔の記憶は辛いものだった。
「忘れない……忘れちゃいけないんだけど」
生き残った幸運艦。
それは、彼女が多くの散り際を見送ったことを意味してもいる。
「今はもう、あの時とは違うのは、分かっているさ」
独白と共に、涙が流れた。
「……あら、時雨?」
「っ!?」
慌てて涙をぬぐう。
後ろから飛んできた声の主は、不思議そうな顔で時雨を見ていた。
「一人でこんなところにいるなんて、珍しいわね」
「そ、そうかな」
取り繕うように笑ってみせる。
扶桑はそんな時雨に薄く笑いかけると、彼女の向かいへと腰掛けた。
「長い雨になりそうね」
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