47: ◆XtjOmDyc46[saga]
2013/10/27(日) 22:36:19.09 ID:o8TtamC1o
「おいしいお茶だね。ぽかぽかするよ」
「時雨? 今日はどうかしましたか?」
「ちょっとお散歩してたら、鳳翔さんが見えたからさ」
鎮守府のみんなの憩いの場所ともいえるこの場所。
なんとなく朝早く目が覚め、ぷらぷらと外を歩いているときに通りかかった。
時雨からすると、単なる気まぐれ、というやつだった。
そう、とだけ言い、鳳翔は時雨から視線を外すと、戸棚から包丁を取り出す。
ギラリと光るそれは陽光を反射し、彼女の手できらめいていた。
「こんな早くからからお散歩なんて、元気まんまんですね」
「元気は元気だけど。ちょっと気分がヘン、って感じだよ」
トントンと軽快な音と立て、鳳翔の操る包丁が踊る。
いつの間にかいい匂いも漂ってきた小さなお店のカウンター。
鳳翔の営む小料理屋は、殆ど居酒屋みたいなもので、時雨にとっては縁のない場所だった。
以前に加賀に連れられて来たことはあったが、酒飲み達の雰囲気に圧倒されて、落ちついて見る余裕すらなかったものだ。
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