過去ログ - オティヌス「おにいちゃん、だいすき」フィアンマ「そうか」
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[saga]
2013/10/19(土) 21:50:47.60 ID:YbhEVYHX0
オティヌスに留守番を任せ、フィアンマは外へ出た。
今日はよく晴れていて、外出をするには最適の気温・天候だ。
何を買って帰ろうか、と思いながら、あてもなく歩く。
「……おや」
男の声に、足を止める。
振り返って見やれば、そこに立つのは緑髪の男だった。
フィアンマのよく見知った、元同僚でもある。
かつて後方のアックア―――ウィリアム=オルウェルに粛清された聖職者だ。
フィアンマが世界を再構成する際にちょっと手心を加えて蘇生した人間である。
「久しぶりですねー。お元気でしたか」
「元気とは言い難いが。お前は」
「今はローマ正教徒の一人として、復興と防衛に頭を悩ませていますよ」
「そうか」
「あなたの救済計画のツケを支払う係、といったところですかねーー」
「俺様が憎いか?」
小さく笑って問いかけるフィアンマに、男は、左方のテッラは、首を横に振る。
「死亡したのは私の手落ちと弱さ故ですしねー。あなたには人生を再び与えていただきました」
死んだことで、気がついた間違いや罪がある。
それを贖う機会をありがとう、とテッラは言った。
「今のあなたであれば、ローマ正教の一角を持って行って新しく宗教組織でも作れそうなものですが」
「それはないな。いや、出来るが…しない。もう、する必要がないからな」
「……何か大切なものが決まったようですねー?」
「思い出した、というだけだよ。……テッラ」
「はい?」
フィアンマは、ふと、彼に尋ねたくなった。
多くの教徒を想い、恐らく自分のことも罪深きローマ正教徒として愛しているだろうテッラに。
「聖職者ということを抜きにして、誰か、女に愛されたらお前はどうする」
「そうですねー。…現実的に、自分と結ばれて彼女が幸福かどうか考えるでしょう」
「女自身は、自分といたら幸福だと言い張る。自分はそうは思わない。
……そんな場合は、どうするべきだと考える?」
「私に問いかける時点で、答えは出ているのではないですかねー?」
答えは出ている。
確かに、自分が本気で迷った時は、人に相談などしない性質だ。
大体が同意か、確認の意味で問いかけをする。
「あなたを想う相手を思って行動すれば間違いはないでしょう」
「………そうだな」
相槌を打って、フィアンマは彼に背を向けた。
迷っている時点で、彼女を拒絶する理由など、実質的には一つもないじゃないか、と。
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