過去ログ - オティヌス「おにいちゃん、だいすき」フィアンマ「そうか」
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374: ◆2/3UkhVg4u1D[saga !桜_res]
2013/10/20(日) 15:21:28.55 ID:UXE0Xkdq0

「おにいちゃん、という呼び名は、恋人に対して不釣り合いだな」

本名で呼んでも良いか、と彼女は言った。
誰かに本名で呼ばれるのは約十二年ぶりだな、とフィアンマは思った。

「好きに呼べば良い」
「なら、」

オティヌスは、フィアンマの手を握った。
両手で握り締め、それから、片手を繋ぐ。
所謂恋人繋ぎにして、満足げにはにかむ。

「――――――、」

名前を呼んで、オティヌスは目を瞑った。
その表情は、ベール越しの花嫁がするものによく似ていた。
唇へ接吻すれば、本当に、家族とは一線を越えることになる。

フィアンマは、特に躊躇しなかった。

頬を撫でて、そっと顔を口付ける。
それから、囁くようにこう言った。

「好きだよ、XXXX」

軽い音と共に、唇が重なった。
オティヌスが、魔術を学び、世界を壊し、何もかもを捨てて得たものは、心から望んだ唯一人だった。










HAPPY END.



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