過去ログ - オティヌス「おにいちゃん、だいすき」フィアンマ「そうか」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/09/29(日) 20:35:19.85 ID:ctDu5xOg0
提供されたのは、ふんわりとしたパンケーキ。
てっぺんに乗っかっているのはバターではなく、いちごジャムだった。
それも、一キログラム単位で売っていそうな安物。
だとしても、幼い少女にとっては、そんなことはどうでもいいのだ。
むしろ、"大好きなおにいちゃんが作ってくれた"お菓子なら美味しくなくても構わない。
『出来上がったが、少し焦げてしまってすまないな』
『なまやけよりはいいとおもうよ』
はにかんで、彼女はローマ正教式のお祈りを済ませる。
丁寧に切り分けて、口に含んだ。
柔らかなパンケーキは、確かにほんの少しだけこげていて。
だけれど、とっても美味しかった。
彼が自分の希望を聞いてくれて、忌々しい実兄と一緒にでも、自分のために作ったものだから。
実際には孤児院の子供全員分を均等に作っているのだとしても。
やっぱりこれは、この皿に乗っている量だけは、自分のためのものだ。
『XXXXXは何もかけないのか?』
『いっしょのやつがいい』
『俺様と揃えても何も楽しくないと思うぞ? 味覚は人それぞれだしな』
言いながら、彼はガムシロップをパンケーキにかける。
兄のものにもかけてやる。少しだけ羨ましい。
『わたしも』
『XXXXもか』
はい、とガムシロップをかけられる。
苺ジャムが酸っぱく感じたが、それくらい我慢出来た。
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