過去ログ - オティヌス「おにいちゃん、だいすき」フィアンマ「そうか」
1- 20
52: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/09/29(日) 20:35:19.85 ID:ctDu5xOg0

提供されたのは、ふんわりとしたパンケーキ。
てっぺんに乗っかっているのはバターではなく、いちごジャムだった。
それも、一キログラム単位で売っていそうな安物。
だとしても、幼い少女にとっては、そんなことはどうでもいいのだ。
むしろ、"大好きなおにいちゃんが作ってくれた"お菓子なら美味しくなくても構わない。

『出来上がったが、少し焦げてしまってすまないな』
『なまやけよりはいいとおもうよ』

はにかんで、彼女はローマ正教式のお祈りを済ませる。
丁寧に切り分けて、口に含んだ。
柔らかなパンケーキは、確かにほんの少しだけこげていて。
だけれど、とっても美味しかった。
彼が自分の希望を聞いてくれて、忌々しい実兄と一緒にでも、自分のために作ったものだから。
実際には孤児院の子供全員分を均等に作っているのだとしても。
やっぱりこれは、この皿に乗っている量だけは、自分のためのものだ。

『XXXXXは何もかけないのか?』
『いっしょのやつがいい』
『俺様と揃えても何も楽しくないと思うぞ? 味覚は人それぞれだしな』

言いながら、彼はガムシロップをパンケーキにかける。
兄のものにもかけてやる。少しだけ羨ましい。

『わたしも』
『XXXXもか』

はい、とガムシロップをかけられる。
苺ジャムが酸っぱく感じたが、それくらい我慢出来た。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
382Res/226.91 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice