32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/10/03(木) 02:51:10.90 ID:krZxxzSS0
  
 差し出されたのは、おれの大好物のトリ。しかも若いメスだ。 
 しかしそんなことよりも。 
  
 「お前、いつのまに来た? いつからそこに居た? 」 
  
 聞かずにはいられない。気配にも気づかないなど、野生動物として終わりだ。 
  
 「やだなあ、オ・・僕は猫なんだ・・ですから。気配を消すなんて得意中の得意 」 
  
 しっぽをふりながら、緑の目をキラキラと輝かせて本当に得意げに言う。 
  
 「・・・・。」 
  
 納得いくような、いかないような、モヤモヤとした部分はあるが、 
 それ以上考えたところでどうしようもない。 
 というより、あまり考えたくなかったおれはあっさり疑問を放棄した。 
  
 「そういうことにしておくか。 ところでお前、普通にしゃべれ。 
  いちいち言い直されるとうっとおしくてかなわねえ 」 
  
 「・・・おこらない? オレ、けっこう口悪いんだけど 」 
  
 「怒らねえよ。ガキ相手に 」 
   
 「良かった。舌噛みそうだったんだよね。よかったらトリ喰ってよ。 
  気づかれないように持ってくるのけっこう苦労したんだぜ 」 
  
 「・・・・・・。猫かぶるってのはこういうことなんだってよくわかるな 」 
  
 外見の愛らしさとあいまってけっこうな悪ガキらしい。 
 嫌いじゃない。ガキのころのおれもこんなもんだったんだろう。 
  
 ああ、だからなのか、こんな違和感もなく近くにいても自然でいられるのは。 
 きっとどこか似てるんだろう。 
  
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