37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/10/03(木) 23:40:52.33 ID:krZxxzSS0
よほど居心地がいいのか、ロードは毎日訪ねてくるようになった。
今はまだ獲物もたくさんいるから、土産は遠慮することにした。
トリなんかくわえて出かければそのうちみつかって怪しまれるに決まっている。
ロードはいろいろ話してくれた。
狩人がもっているあの棒は「銃」といい、弾という小さな石ころみたいなものを
勢いよく飛ばして体に穴をあけて殺してしまうのだとか、
前はふたりいた狩人はもうひとりしかいなくて、狼が来ると大変なんだとか。
その銃ってやつはほかの人間は使えないのか、と聞くと、
狙ったところに弾を飛ばすのがとても難しいんだという。
それに、あの狼を前にしたら、たいていの人間はびびって腰を抜かして
まともに銃を撃つこともできなくなるらしい。
そうだろうな、とガキのころ狼に囲まれたことを思い出す。
かこまれただけであれほど恐怖したのだ、唸り声を上げて飛びかかられたら
冷静になることは難しいだろう。
・・・あの狩人はそんな狼が5匹もいる中、おれを助けてくれたのかと思い、
血まみれの姿がちらつきかけるのを、無理矢理記憶の奥底に沈めなおす。
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