過去ログ - 落とし胤の一夏「今更会いたいとも思わない」
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25: ◆G4SP/HSOik[saga]
2013/09/28(土) 10:29:21.54 ID:mq5otnXP0

一夏「ぐぅううう…………!」

一夏「はあ……よかった。絶対防御で守られているとは言え、心までは絶対防御されていないからな。トラウマになったら大変だ」

一夏「怖くなかったか、箒さん?」ニコッ

箒「――――――は!(い、一夏の顔が、こ、こんなにも近い!?)」カア


しかし、織斑一夏は迅速に対応して衝撃を和らげた。

一夏の『白式』は圧倒的な速度で迫る箒の『打鉄』の勢いに圧されて地面に激突したが、驚くことに土煙が舞うことなく穏やかに地面と激突したのだ。

一見すると到底地味だが、とてつもなく高度な機体制御の技術であった。

何故なら、衝突による強い力を引き受けて相手を優しく受け止めた一方で、大地に接触した時の反作用を受け止めた相手に返さないようにしたのだから。

セシリアは専用IS『ブルー・ティアーズ』が空中で狙撃するために機体制御を重視した運用をしているためにその凄さをよく理解できた。

そして、物腰柔らかく寝そべる貴公子の上に乗りかかる乙女の図は、すぐ側で見ていたセシリアの心を捉えて放さなかった。


セシリア「――――――あ」ポー

箒「うわあああああああああ!」ドタバタ

一夏「よっこらしょっと」

一夏「ISの欠点は、脳波コントロールだから計器を見ながら速度調節がしづらいことに尽きるよな」

一夏「自動車教習のように恐る恐るメーターをチラ見しながら加速することができないんだもんな」

一夏「こればかりは、織斑先生が言うように『身体に染み込ませる』他ない」

一夏「俺たちは他の生徒よりも時間があることだし、丁寧に技術を習得していこう、ね?」ニコッ

箒「あ、ああ…………」ドキドキ

一夏「セシリアさん、今度はアリーナを旋回してみま――――――セシリアさん?」

セシリア「――――――あ、はい!」ドキッ

一夏「…………どうしたというのだ?」

箒「………………」ドキドキ

セシリア「………………」ポー

一夏「――――――訓練! 訓練中ですよ!」

箒「あ、すまない!」

セシリア「ご、ごめんなさい!」

一夏「うん…………?」

一夏「どうします? 模擬戦までやろうとは思っていたんですけど、中止にしますか?」

一夏「ISは脳波コントロールだから――――――いや、ISに限らず、精神状態が安定しないのならば安静にすることが一番です」

一夏「二人共、ピットまで帰れますか? 私はこのまま明日の飛行訓練に備えて続けますけど」

一夏「(――――――いや、ここは様子を見るか)」

一夏「それじゃ、後のことは自己責任でお頼みしますよ?」

箒「あ、うん…………」

セシリア「…………はい」


一夏は飛んだ。

財閥の提供で獲得した専用IS『白式』は入学前から乗りこなしていたとは言え、一夏の思うがままに飛んだ。

そして、財閥がスポンサーのISドライバーになってから漠然と“ブリュンヒルデ”織斑千冬を目指していた。

一夏と『白式』が描く軌跡は変幻自在であった。それは誰の目から見ても初心者のそれではないことを理解させるに足る流麗なものだった。



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