過去ログ - 落とし胤の一夏「今更会いたいとも思わない」
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37: ◆G4SP/HSOik[saga]
2013/09/28(土) 10:45:11.10 ID:5H8gBlq40

鈴「さて、来たわね。この前 言ったこと憶えているわよね?」

セシリア「はい。――――――弱い犬ほどよく吠える、と」ニコー

鈴「」ムカ

鈴「あの時は一夏の顔に免じて見逃してやったけど、容赦はしないわよ!」

セシリア「そういうところが弱い犬らしいとお気づきにならないのかしら」クスッ

鈴「……そうね。口で言ってもわからないなら、身体に叩き込んであげるわ」

鈴「それがあんたのことだってね!」


アナウンス「試合開始」



試合は近距離型と遠距離型の熾烈な距離の奪い合いになっていた。

近距離型の『甲龍』が近づこうとすれば、遠距離型の『ブルー・ティアーズ』は離脱しようとする。

『甲龍』が予想通り積んでいた第3世代兵器の衝撃砲『龍咆』による射角が無限の見えない砲撃を浴びせようとすれば、

負けじと機体と同名の第3世代兵器である『ブルー・ティアーズ』によるオールレンジ攻撃で牽制する。

それぞれの国が威信をかけて搭載した第3世代兵器の正面対決が火花を散らして白熱していた。

しかし、試合は膠着するに従って、ここで機体の特性による差が大きく出始めることになった。

圧されてきたのは、セシリアの『ブルー・ティアーズ』だった。

徐々に『ブルー・ティアーズ』のオールレンジ攻撃の精度が落ちていき、セシリアの表情に焦燥が見え始めていた。

それは第3世代型ISの特徴的な弱点の現れだった。

第3世代型ISは第3世代兵器と呼ばれるイメージ・インターフェイスを利用した直接脳波で自在に操作できる兵器を積んでいる。

しかし、基本的にISはシールドエネルギーによって一括で動作するのだが、第3世代兵器を動作させるためにエネルギー効率がかなり悪かった。

更に、ISは脳波コントロールなのでイメージ・インターフェイスによる脳波コントロールと被っているので、

使い分けるために機体制御を放棄して、第3世代兵器の運用に意識を集中しなければならないという共通の欠点があった。

特に、第3世代兵器の操作自由度が高ければ高いほど機体制御は大きく失われ、棒立ちになって隙を晒すことになった。

さて、今回の戦いの場合、射角が無限の『龍咆』とオールレンジ攻撃の『ブルー・ティアーズ』――――――、

いったいどちらがより集中力を必要とし、隙が大きいかと言えば、

当然、4基のレーザータイプと2基のミサイルタイプもあってISとは別に独自に行動できる『ブルー・ティアーズ』である。

更に、鈴の『甲龍』は同じ第3世代型ISでも燃費と安定性を重視した特異的な設計なので、

長期戦になればなるほどセシリアの『ブルー・ティアーズ』は追い込まれていくことになる。

また、後ろに下がることは前進することよりも難しいために、セシリアが距離を取ろうと離脱しようと思えば離脱先を考えないといけないという苦労もあった。

鈴は追う側なのでそれをただ相手を追いかけるだけでいいので、そこまで負担にはならなかった。

昔から相手から大きく距離を取るための後退は前進するよりも遥かに難しいとされており、撤退戦の名手はそれだけで戦上手と言われた。

織斑一夏が見るに、この戦いの対戦ダイアグラムは4対6。基本的にセシリアが不利だが、どちらも十分に勝機がある戦いであった。

ISはパワードスーツ――――つまり、身体の動きが直接動作する類の兵器である。

そして、ISは起動から基本動作全てを脳波コントロールしているので、疲れて一瞬でも気が緩めば負けなのである。





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