過去ログ - 落とし胤の一夏「今更会いたいとも思わない」
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99: ◆G4SP/HSOik[saga]
2013/09/28(土) 12:12:51.82 ID:mq5otnXP0

一夏「元々、IS業界の不動のNo.2VIPだからこうなるとは思ってはいたけど、――――――俺はハリウッドの映画スターでも何でもないんだぞ!」

一夏「結局、貧乏人からも金持ちからも搾り取られる立場にあるのか、俺は…………」

一夏「これはなかなかキツイ…………業界人やセレブだけとの醜い付き合いですめばよかったのに、もう世間では国民的なアイドルの扱いだ」

一夏「国民栄誉賞だとか何だとか、そういう声も上がっているぐらいだ……」

一夏「なかなか難しいな…………」ハア

一夏「あんなのも俺が守るべき『関わる人全て』に入ってしまうのか…………」

一夏「上に立つっていうのはなかなか難しいことだったんだな…………」

爺様「辛そうだな……」

一夏「ええ。爺様のように上流階級だけのお付き合いですめばよかったのに、低俗なマスコミやら何やらに追い掛け回されてクタクタだ……」

一夏「爺様がある程度手を回して事態の収拾にあたってくれたので、これでも最初の頃の3割ぐらいに収まりましたけど、」

一夏「場数を踏んでいない俺では体力が保ちません…………」フラッ

一夏「せっかく、ただの“織斑一夏”として気楽に振舞えていたのに、周囲の目に怯えながら生活することになってしまった……」

一夏「俺もかつてのラウラのようなキモオタに追い掛けられる偶像になってしまったのか……」

一夏「部屋に居る時も、どこかに盗聴器やカメラが仕掛けられているんじゃないかって不安になって落ち着かない…………」

一夏「唯一落ち着くところが、よりにもよって爺様のお膝下だけになったのがどうにも心苦しい…………」

一夏「俺が財閥総帥後継者であることを世間に知られないように極力来ないことにしていたのに、このザマですよ」

爺様「こちらも手を尽くしてはいるが、勢いだけはどうしようもならんからな…………」

一夏「お見合いリストの他に挑戦者リスト、野次馬リストまで増えて、もうイヤだ…………」

一夏「…………ダメだな。責任ある立場として「最適化」していかなければならないのに」

爺様「これは耐えて時が移るのを待つ他ないな……」

一夏「そういえば、爺様。珍しいですね、のんびりと映画鑑賞しているなんて」

爺様「たまには、な」

一夏「『スターシップ・トゥルーパーズ』、『2001年宇宙の旅』に、劇場版『銀河英雄伝説』とか…………」

一夏「――――――コズミック系が本当に好きなんですね」

爺様「戦後の人間にとって――――いや、高度経済成長期の日本人なら誰しも宇宙に思いを馳せたことはあるものだ」

一夏「――――――IS〈インフィニット・ストラトス〉も宇宙開発用のマルチフォームスーツだったのに」ボソッ

爺様「………………」

一夏「それじゃ、そろそろ学園に帰りますね」

爺様「見送ろう」

一夏「ありがとうございます、爺様」

爺様「これぐらいのことしかできないが、強くあってくれ」

爺様「金、権力を持つということは常に、危険と隣り合わせだということを、忘れるでないぞ?」

一夏「もちろん」ニコッ

爺様「フッ」




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