512: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:44:25.34 ID:McW+AEBq0
学者「…あの子は本来自分の内に篭る気質なのだ。他者との接触を必要以上に恐れる」
竜『確かに思い当たる節はあるかな、随分自分に自信がないみたいだった』
学者「周囲に父親の不在を指摘され続けたことが原因だと推測している。私のせいだ」
513: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:44:55.63 ID:McW+AEBq0
竜『それにしても、君が既婚者だったとは意外だったな』
学者「? 私に婚姻の経験はないが」
竜『えっ…不潔!』
514: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:45:28.65 ID:McW+AEBq0
竜『いやあ傍から見れば深い絆で結ばれた仲睦まじい親子だとばかり思ってたけど、そうか、血が繋がってない事実が露呈するだけであっさり壊れるようなペラペラの薄ーい紙のような関係だったのかと思ってさ』
学者「貴様…」ギリ
竜『どうせそんなものだろう? 人間は』
515: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:46:20.46 ID:McW+AEBq0
学者「……人でないくせによくわかっているではないか」
竜『ありゃ、予想外の反応』
学者「そうだ所詮私が臆しているだけだ、怖いのだよ大切なものが自分から離れていくのが」
516: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:46:46.76 ID:McW+AEBq0
―数時間後―
少女「……」スースー
学者「ぐごおおおぉぉぐがあぁぁぁ…」
517: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:47:31.66 ID:McW+AEBq0
―洞窟の外―
竜『…ふう。寒いな、この森の木々もすっかり寂しい姿になっちゃったな。…不味い、口調があちらの方に定着しつつあるかもしれん』
少女「あの…」
518: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:48:15.95 ID:McW+AEBq0
竜『…………』
少女「…………あ」
竜『? 母音の一つを口に出してどうしたの? 発声練習?』
519: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:48:55.01 ID:McW+AEBq0
少女「知ってますか、流れ星に3回願い事をすると叶うらしいですよ」
竜『少女多分それ騙されてるよ、しつこいようだけどあれただの塵だよ』
少女「知ってます。わざと騙されてるんです」
520: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:49:44.30 ID:McW+AEBq0
少女「ドラゴンさんも何かお願い事しましょうよ」
竜『いやそんな無意味な行為をした所で…』
少女「いいじゃないですか! どうせ願うだけタダですよ!」
521: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:50:39.90 ID:McW+AEBq0
少女「…………」ウトウト
竜『ちょっと』
少女「はうあ!? いいえ寝ていませんが!?」
522: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/02/18(火) 13:51:06.31 ID:McW+AEBq0
少女「え、それは、そのちょっと恥ずかしいです……」
竜『なんだ、疚しい願望か』
少女「や、やましくなんてないです! じゃあ言いますよ! お、お…」
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