790: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/22(日) 20:20:52.66 ID:yX8CGCHs0
―副所長室―
「やあ職務中に呼びつけて申し訳ない」
「いえ……一体なんの御用でしょうか?」
「君は永遠になりたくはないか?」コトン
「は? それは、あの怪物の…」
「そうだ、血液だ。これを飲めば永遠に生きられるんだ。皮肉に感じるほど簡単だろう?」
「し、しかしその血液を摂取することはおろか保管室から私的に持ち出すことすら上層部から固く禁じられているはず」
「ああ、その上層部って実際は私1人のことだよ。私、ここの副所長兼、王の側近つまりこの国のNO.2だから」
「…は、は? 側近って…そんなばかな…」
側近「こんなものが一般に出回ったら混乱は目に見えているから一応禁止しているがね、この血を飲むに値する人間には分けてあげてもいいと思ってるんだ」
「わ、私が選ばれたということですか…?」
側近「ただし飲んだからにはもう普通の生活には2度と戻れないことは覚悟しておいてくれ、少なくとも今まで築いてきた人間関係は全部リセット。君の体と魂はこの国を永久に支えるためだけに存在することになる」
「なっ、そんな条件飲めるわけがないでしょう!?」
側近「そう? 老いて朽ちて土に成り果ててやりたかったことを最期の瞬間に後悔する運命より、永遠の時間の中で自分の願いを叶える無限のチャンスがある不老不死の方が断然いいと思うけど。君は死ぬとき何の後悔もしない自信があるの?」
「そ、それは…」
側近「あとね、この血液を飲んだら確かに今の日常は失ってしまうけど代わりにもっと裕福な生活を送れるようにしてあげるつもりなんだ。決して歴史の表には知られることのない地位だけど確実に金と権力は手に入れられる地位に就かせてあげよう。大抵の幸せはそれで手に入るんじゃないのか?」
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