799: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:10:24.92 ID:HfXmAFKh0
お母さん「お医者様が言うにはね、この子が目を覚ます可能性はほとんどゼロに近いらしいの」
少女「そんな…」
お母さん「私ね、怖いの」
800: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:11:02.97 ID:HfXmAFKh0
お母さん「限りなく可能性の低い希望に縋ってこの病室に通う毎日が、これから先何年も続くと考えるととてつもなく怖いの。叶いもしない夢を持ってこの子が目を覚ますことを願い続ける日常がたまらなく嫌なの」
少女「そんな言い方…しないでください」
お母さん「私は強くないわ、だからあきらめることにする。これを使って」チャキッ
801: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:11:37.81 ID:HfXmAFKh0
少女「だめ…やめて! 男の子くんを殺さないで!」ドンッ!
お母さん「うぐっ……」カシャン
少女「こんなものっ…!」ゲシッ、カラララ…
802: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:12:30.02 ID:HfXmAFKh0
♪目覚め
お母さん「お前が死ねばよかったんだ……あの時死ぬべきなのはお前だったんだ!」グググ!
少女「…………(そんなこと知ってる)」
803: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:13:19.46 ID:HfXmAFKh0
お母さん「うぎゃああああ目が痛いいいい」ゴロゴロ
少女「げほげほっ! はあ、はあ……その、くらいで痛がるなっ…! 彼はもっと痛かったはずだよ!」
お母さん「くそおお殺す殺す殺してやる!」
804: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:13:55.28 ID:HfXmAFKh0
少女「はあ、はあ、……わたし、逃げてばっかりだな。あはは」
少女「もう、どこに逃げればいいのかなあ…」
少女「……そうだ」
805: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:14:34.34 ID:HfXmAFKh0
―洞窟―
少女「着いた」
少女「あれ、メビウスさん…?」キョロキョロ
806: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:15:20.91 ID:HfXmAFKh0
少女「…メビウスさんすごいなあ。こんなに難しい本読んでるんだ」
少女「そうだ、こんなに難しい本を読んでるなら学校の宿題なんて簡単に解いてくれるかもしれない。今度教えてもらおう」
少女「それで先生なんて呼んでみたりして、ふふっ…………あ」
807: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:15:51.51 ID:HfXmAFKh0
―少女の家―
少女「ただいま」
少女「お母さんはまだ帰ってきてない」
808: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:16:25.91 ID:HfXmAFKh0
―深夜、少女の部屋―
学者「…………」ガチャ…
少女「……ん、あれ……お母さん? 帰ってきてたの…?」
809: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/06/29(日) 20:17:09.48 ID:HfXmAFKh0
学者「少女、聞いてくれ。暫く家に帰れなくなる」
少女「……いいよ、もう」
学者「こんな時にすまないな、心細い思いをさせることに…」
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