過去ログ - 『「雨だ……」』
1- 20
825: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/15(火) 00:46:07.29 ID:50wI6hsw0
少女「(間違いない、筆跡は変えられてるけどこれを書いたのはお母さんだ。そう考えるのが自然だ)」

少女「(そう考えると……このフレーズの意味がわかる気がする)」

少女「(メッセージの最後の部分、"忘れない"はシオン、お母さんの誕生花の花言葉に使われているフレーズだ)」
以下略



826: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/17(木) 23:42:57.26 ID:TYD4cYOH0
少女「(世界に、2つの愛が生まれた)」

少女「("生まれた"って言葉は誕生日を指している気がするけどそれが誰の誕生日かわからない、ならそれを特定するのが"世界に2つの愛が"の部分なのかな)」

少女「(……"世界"という言葉が指しているのはわたしたちが住むこの世界のことではないだろう、もしそうならこの世界に愛なんて数えきれないぐらい存在してるから"2つの愛"を特定できない)」
以下略



827: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:43:48.57 ID:25c1NsJp0
少女「(…………そっか、わたし間違えてた。鍵は誕生日じゃない、正しくは記念日だ)」

少女「(2つの愛のうち、1つは母性愛だ。うぬぼれなんかじゃない、だってお母さんがわたしを愛してくれていたことはわたしが一番知っている)」

少女「(その母性愛が生まれたのはお母さんがわたしを拾った日であり、この間までわたしの誕生日だと思い込んでいた12月13日だ)」
以下略



828: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:44:34.49 ID:25c1NsJp0
少女「(まず初めにお母さんの誕生日を1番目だと仮定してやってみよう)」カチャカチャ

少女「(……開かない。なら今度はお母さんの誕生日を真ん中にして)」カチャカチャ

少女「(開かない。…………ああ、本当は試してみるまでもないことはわかってた。この選択肢の中でお母さんが自分を優先するわけがないから)」
以下略



829: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:45:05.89 ID:25c1NsJp0
カチャリ

少女「開いた……」

少女「な、中身は……え? "何も書かれてない"?」
以下略



830: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:45:42.50 ID:25c1NsJp0
―自宅―

少女「すごい……冷蔵庫に入れたら文字が浮かび上がってきた、どういう仕組みなんだろう…?」

少女「よし…読もう」
以下略



831: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:46:21.92 ID:25c1NsJp0
《まず始めにこれほどまでに面倒な手順を踏ませたことを少女に詫びたい。何故こういった手の込んだ過程が必要だったかと言うと、このメッセージは"私の心情を真に理解した"少女にだけ受け止めてもらいたいからだ。》
 
《例えば第三者やお前がメッセージを解かずに鍵を物理的に破壊した場合、このノートは何の価値も持ち得ないだろう。本文は熱を加えることにより消色する特殊なインクで記述されている。》

《これは私が個人的な趣味で偶然開発したものであり、克つこれと同様な性質を有した筆記用具の存在を私は現時点で確認していないから"冷やすことで隠された文字が浮き上がる"という発想に至る人間はいないだろう。例え第三者がこのノートには隠されたメッセージがあるかもしれないという発想に至ろうが蜜柑の汁を炙り出しするようにはいかない》
以下略



832: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:47:30.63 ID:25c1NsJp0
《今、お前がこのメッセージを読んでいるとしたらそれは奇跡に違いない。何故ならこのノートを読むことの出来る時間は私がお前の元から消えてから、私が"計画"を完遂するまでの数週間でしかないからだ。》

《実はその洞窟にある枯れ草で出来た寝床の下には時限発火装置が隠されている。私が計画を終える時間に作動するように設定してあるため、本で埋め尽くされている洞窟は炎に包まれ自動的にこのノートも消失する。》

《何故このような仕掛けを用意したかといえば、それは私がこのノートに書かれた真実をお前に知られることを心の底から恐れていたからだ。》
以下略



833: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:48:18.85 ID:25c1NsJp0
《さて、以下の文では真実を綴ることにする。それは少女にとって紛れもなく残酷で身を引き裂かれるような事実の列挙になる。しかしここで語らねば人々の手によって真実は歪められ、断片的な事実しかこの世界には残らないだろう。》

《もしお前が真実を拒絶したければこのノートをいつぞやの手紙のように破り捨て忘れてほしい。でももし、お前が本当のことを知りたいのであれば、是非読んで欲しい、受け止めて欲しい。私の過去と未来の罪を。》



834: ◆yJ9Y64R876[saga]
2014/07/21(月) 01:49:11.80 ID:25c1NsJp0
《お前がこのノートを発見したという事は、メビウスが洞窟から姿を消していることに気付いたはずだ。だが勘違いしないでくれ、彼は決してお前を見捨てたわけではない、むしろお前を助けるために今もなお苦しみに喘いでいる。》

《メビウスが洞窟から姿を消す直前、私はこの国の上層部に恫喝されていた。》

《国王を救うため不老不死になる方法を教えるか、少女の身を引き渡すかどちらを選ぶかと。》
以下略



933Res/559.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice